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木造船「こんなに…」、処理費に困惑する自治体

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深浦町の海岸に12日に打ち上げられた木造船(13日)=青森海上保安部提供

 木造船の漂着が相次いでいる青森県深浦町の海岸で12日、新たに1隻の漂着が確認され、11月以降の同町への漂着船は計6隻になった。

 県内の日本海沿岸では北朝鮮籍とみられる木造船の漂着が続き、沿岸自治体が船の扱いに頭を悩ませている。持ち主不明で処分費用を負担する可能性がある上、漂流物として一定期間保管する場合もあるためで、「これ以上来ないことを願うしかない」との声も漏れる。

 青森海上保安部の発表によると、同町松神の海岸で12日夕方、木造船が打ち上げられているのを漁師が発見。長さ約11メートル、幅約2・6メートルで、付近に人影はなかったが、船内には、漁網や、袋に入った米と食器数点が残っていた。船首部の左右には、数字とハングルのような文字が赤字で書かれており、船の形状などから朝鮮半島から流れ着いた可能性があるという。

 木造船の処理を巡っては、国が海岸漂着物処理推進法に基づいて海岸に漂着したゴミの処理費などとして7~9割を補助しており、各自治体は事前に予算計上している。

 深浦町では、今年度の総事業費約740万円をオーバーする見込みという。処理に使えるのは、残り約70万円。11月27日に大破して見つかった船は、険しい場所に漂着したことなどから、費用は約280万円と見積もっている。

 町の担当者は「こんなにやって来るとは想定しておらず、異常事態。1隻分の費用を清掃にあてれば海岸をきれいにできるのに残念」と話す。

 外ヶ浜町では、7月に沖合を漂流していた1隻の解体などに約170万円をかけた。予算約440万円を海水浴シーズン前にほぼ使い切っていたが、船内のガスボンベを早く処理する必要があるため対応を急いだ。町は「木造船が来なければ出す必要のなかったお金。国には対策を取ってほしい」と注文する。

 相次ぐ漂着を受け、県は処理方法を自治体と協議する方針だ。

 一方、木造船をゴミではなく、「漂流物」として扱う場合、水難救護法に基づいて市町村長が一定期間保管する必要がある。佐井村では2014~16年に漂着した4隻のうち、原型をとどめる2隻を約半年間保管したが、持ち主は現れなかった。また、11月下旬に漂着した1隻を村有地に移し、持ち主が名乗り出るのを待っている。村の担当者は「流れ着いてくるものは防ぎようがない。これ以上続かないことを願うしかない」と嘆いた。

2017年12月14日 16時51分    Copyright © The Yomiuri Shimbun