今日のニュース

気になったニュース

米中首脳、表面上の蜜月=商談で実利、対北朝鮮は平行線

f:id:obaco:20171110191558j:image

9日、北京の人民大会堂で記者会見するトランプ米大統領(EPA=時事)

 トランプ米大統領は今回のアジア歴訪最大の山場と言える中国訪問で、習近平国家主席と表面上の「蜜月関係」を演出した。北朝鮮対応では事実上の平行線をたどったものの、米中間で総額2535億ドル(約28兆7800億円)規模の商談が成立したという実利をアピール。一方の習氏は、トランプ氏との近さを示すことで国内に力を誇示した。

 ◇国内世論も意識
 「大いに特別な機会だった」「(習氏は)特別な男だ」。9日の首脳会談後の記者会見で、トランプ氏は「特別」という言葉を連発し、意気投合ぶりを強調した。「われわれは大きな責任を負っている」とも述べ、地域や国際的な問題への対応で、米中が足並みをそろえる重要性も指摘した。

  首脳会談後には米中企業間で貿易・投資案件の契約調印式が開かれ、会談を終えた両首脳も立ち会った。2016年の米国の対中貿易赤字は3470億ドルで、今回の契約規模はその7割超に上る。
 だが、貿易不均衡是正や、米企業による中国市場参入への障壁などの課題が根本的に解決されたわけではない。北朝鮮の核・ミサイル問題への対応でも、米側は「米中に意見の違いはない」(ティラーソン国務長官)と説明するものの、記者会見では国連安保理の制裁決議の厳格な履行など、既存の対応策を繰り返しただけだった。
 それでもトランプ氏が訪中を成功と位置付けた背景には、米中間選挙を約1年後に控え、支持率が30%台に低迷する中、今回の巨額契約を自身が掲げる米国第一主義の「成果」として国内世論に訴える必要があった。

f:id:obaco:20171110192008j:image

9日、北京の人民大会堂で記者会見する習近平中国国家主席(EPA=時事)

 ◇自国ペースに

 10月の中国共産党大会を経て2期目を迎えたばかりの習指導部は、今後5年間の政権運営のスローガンに「中華民族の偉大な復興」を掲げる。その理念を支える「大国外交」の基軸は米中関係だ。習氏は2期目で最初に会う外国首脳をトランプ氏と見定め、会談では中国ペースに持ち込むことに成功した。
 トランプ氏の初訪中まで、中国は米側の要求に耳を傾ける姿勢を貫いた。北朝鮮問題では安保理の制裁決議に賛成し「完全履行」(中国外務省)を明言。中国共産党は今回、党大会直後に高官を派遣してあいさつに出向く友好国リストから北朝鮮を外し、米側への配慮を示した。
 ◇「新型大国関係」再び
 8日夕刻の北京・故宮(紫禁城)。かつて清朝の皇帝のために造られた劇場「暢音閣」に、習氏は中国の最高指導者としてトランプ氏を招き入れ、並んで京劇を堪能した。故宮内で行われた非公式夕食会は、当初予定を大幅に上回る2時間に及んだ。
 習氏は9日の会談後の記者会見で、「大国の協調と協力を進める」「中米二つの大国」と、2回にわたり大国という言葉を使った。習氏はオバマ前政権に「新型大国関係」を持ちかけたが、米側の不評を買って封印した経緯がある。しかし、9日の会見で横に立つトランプ氏は、習氏の言葉に異を唱えなかった。(北京時事)

時事通信  (2017/11/09-21:01)