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青酸連続死、筧千佐子被告に死刑判決…京都地裁

 京都、大阪、兵庫3府県で起きた青酸化合物による連続変死事件で、夫と元交際男性計4人への殺人罪などに問われた筧かけひ千佐子被告(70)の裁判員裁判の判決が7日、京都地裁であった。

 中川綾子裁判長は「遺産目的などの連続毒殺事件で、極めて悪質、卑劣な犯行だ」と述べ、求刑通り被告に死刑を言い渡した。弁護側は即日控訴した。

 中川裁判長は主文を後回しにして判決理由の朗読から始めた。まず、四つの事件いずれもほぼ起訴状通りに認定。「被告は遺産の取得目的で、青酸化合物入りのカプセルを飲ませた」と指摘した。

 被告は捜査段階で4事件への関与を認めたが、検察側は、自白の任意性や信用性が争いになることを見越し、状況証拠による有罪立証を目指した。弁護側は無罪を主張し、被害者の死因や、被告が犯人かどうかなどが争点となった。被告は公判前に軽度の認知症と診断されており、刑事責任能力や訴訟能力も焦点のひとつになった。

 中川裁判長は判決で、これらの争点について、事件ごとに判断。発覚のきっかけになった筧勇夫さんの事件では「(勇夫さんには)自殺する動機はなかった」と言及。当時同居していた勇夫さん宅の庭にあったプランターから青酸化合物が発見されたとし、「犯人は被告以外に考えにくい」と述べた。

 他の3事件でも、被告が一般人では入手困難な青酸化合物を所持していたと指摘。末広利明さんと日置稔さんの事件では青酸成分が検出されなかったが、医師や救急隊員の証言に基づき、死因は青酸中毒と判断した。

 被告の捜査段階での自白についても、「任意性や信用性に問題がある」とする弁護側の主張を退けた。

 被告の認知症については鑑定医の証言などから「事件当時は発症していなかった」として刑事責任能力を認定。「現在の症状は軽度で、法廷でも質問を理解し、必要に応じて否定している」として訴訟能力にも問題はないと判断した。

 そのうえで「被告は捜査段階で自白したが、公判での言動からは真摯しんしに反省しているとはいえず、認知症であることも死刑回避の理由にはならない」と量刑の理由を述べた。

 今回の裁判員裁判は、初公判から判決までの公判回数が過去3番目に多い38回、審理期間は過去2番目に長い135日間に及んだ。

2017年11月07日 13時27分    Copyright © The Yomiuri Shimbun