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8年で15倍に…房総半島のキョン、根絶目指す

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房総半島南部で急増しているキョン(千葉県提供)

 房総半島南部で急増している特定外来生物キョン」の根絶に向け、千葉県は12月から、キョン全地球測位システム(GPS)を取り付け、生態調査に乗り出す。

 2015年度の生息数は推定4万9500匹で、07年度(3400匹)から約15倍に激増しており、効果的な捕獲方法を検討する。捕獲したキョンから皮革製品を作る取り組みも始まっている。

 キョンはシカの仲間で、中国南東部や台湾に生息する。県自然保護課によると、県内では勝浦市の動植物園で飼育されたキョンが脱走し、野生化したとみられ、1980年代頃から目撃されるようになった。国内で定着が確認されているのは房総半島南部と伊豆大島(東京都大島町)だけで、住宅地に現れて花壇の花を食べるなどの食害も出ている。

 千葉県や地元自治体がワナなどで捕獲を進め、16年度は2400匹を捕獲したが、繁殖力が強く対応が追いつかない状態だ。キョンの生態が判然としておらず、県は今回、効果的にワナを設置するため調査を行うことにした。

 調査では、捕らえたキョン数匹の首にGPSを装着。県内市町村で最多の1万9534匹が生息すると推定されているいすみ市内に放ち、12月から約1年間、行動パターンや移動経路を調べる。生息数を減らすにはメスを減らすことが重要といい、主にメスにGPSを装着する。

 また、同市の山中などに自動撮影カメラ約20台を設置し、11月から来年3月まで映像を記録する。キョンがよく通る場所を調べ、ワナの設置場所を検討するのが目的だ。同課は「より効率よく捕獲できるよう生態を詳しく調べ、根絶を目指す」としている。

 一方、同市では、捕獲したキョンを活用する取り組みも始まった。市から委嘱を受けた移住者でつくる「地域おこし協力隊」が、捕獲後のキョンの活用策を検討し、昨年、なめしたキョンの革でベビーシューズを試作した。キョンの革は柔らかく手触りが良いといい、今年度は革の新たな活用法を探っているという。

 市は「捕獲して処分するだけでなく、活用できるように検討を進めたい」としている。

2017年10月31日 10時20分    Copyright © The Yomiuri Shimbun