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米、ユネスコ脱退表明…「反イスラエル」を批判

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パリの国連教育科学文化機関(ユネスコ)本部=ロイター

 【ワシントン=黒見周平、パリ=作田総輝】米国務省は12日、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ、本部・パリ)に対し、米国が2018年末で脱退すると通知したと発表した。

 19年からは正式な加盟国ではなく、オブザーバー国として関与するとしている。

 同省は声明で、脱退の理由について「ユネスコは根本的な機構改革の必要がある。反イスラエル的な姿勢が続いていることも踏まえたもので、軽々に決めたものではない」と説明した。米国がユネスコに支払う分担金の滞納額が増えていることも理由に挙げた。

 米国はオバマ前政権時代の11年、パレスチナユネスコ加盟承認に反発し、年間予算の約22%を占める分担金の拠出を凍結した。トランプ政権は脱退の決断に際し、ユネスコが今年7月、ヨルダン川西岸にあるパレスチナ自治区の「ヘブロン旧市街」を世界遺産に登録したことや、分担金滞納額が5億ドル(約560億円)超に上っていることなども考慮したとみられる。
2017年10月13日 00時01分    Copyright © The Yomiuri Shimbun

 

米がユネスコ脱退、深まる孤立路線
国際協調に新たな打撃

 【ワシントン=川合智之】トランプ米政権は12日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)からの脱退を決めて、自国の利益のためなら国際社会との衝突もいとわない姿勢を改めて示した。環太平洋経済連携協定(TPP)や地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱表明など、米の孤立路線が国際協調に与える影響は大きい。
 「ユネスコは反イスラエル的偏向を続けている」。米国務省は12日の声明で、ユネスコの政治的な姿勢を強く非難した。ユネスコは7月、パレスチナ自治区のヘブロン旧市街を世界遺産に登録していた。

 ユネスコのイリナ・ボコバ事務局長は米の離脱に「深い遺憾」を表明した。ユネスコの規定で脱退は2018年末に発効する。米メディアによると、トランプ氏が9月にフランスのマクロン大統領とニューヨークで会談した際、離脱方針を伝えていた。

 トランプ政権は国内支持者向けの「米国第一」の公約を重視し、TPPやパリ協定からの離脱を進めてきた。オバマ前政権などが国連や同盟国との多国間協調を重視してきたのとは対照的で、北大西洋条約機構NATO)加盟国にも負担金を増やすよう求めて反発を呼んだ。国連平和維持活動(PKO)や国連人口基金などへの拠出金削減のほか、女性差別撤廃条約などの離脱も検討中と報じられている。

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 トランプ氏はイスラエル寄りの姿勢が鮮明だ。大統領に当選した翌日、真っ先に電話した外国首脳はイスラエルのネタニヤフ首相だった。イスラエル側が「首都」と主張するエルサレムにテルアビブから米大使館を移転する方針も示した。トランプ氏の長女の夫のクシュナー大統領上級顧問はユダヤ系米国人で、ネタニヤフ氏とは幼いころから家族ぐるみの付き合いだ。

 ユネスコ予算の22%にあたる年8千万ドル(約90億円)の米分担金拠出を嫌ったという側面もある。1984年に米がユネスコから一度脱退した際も、ユネスコの放漫運営を批判していた。ユネスコが11年パレスチナ加盟を承認した時も分担金拠出を凍結した。

 ユネスコは195カ国が加盟する国連専門機関で、パリに本部を置く。教育機会の平等な提供や、世界遺産文化遺産登録などに取り組む。16~17年の2年分の予算は6億6700万ドルで、日本も10%弱を拠出する。09年まで松浦晃一郎元駐仏大使が事務局長を務め、現在のボコバ事務局長は元ブルガリア外相だ。

2017/10/13 0:30    日経新聞