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ノーベル平和賞に核兵器廃絶団体「ICAN」

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6日、スイス・ジュネーブで、ノーベル平和賞の受賞を喜ぶICANのベアトリス・フィン事務局長(中央)ら=AFP時事

 【オスロ=角谷志保美】ノルウェーノーベル賞委員会は6日、2017年のノーベル平和賞を、世界の市民団体の連合体「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICANアイキャン、事務局スイス・ジュネーブ)に授与すると発表した。

 今年7月に国連で採択された「核兵器禁止条約」の実現に向けた活動を評価した。

 同委のライスアンデシェン委員長は「核兵器使用による壊滅的な人道的影響に焦点を当て、そのような武器を条約で禁じるため画期的な努力をした」と授賞理由を説明した。北朝鮮などを名指ししながら「我々は今、核兵器が使用される恐れが近年になく高い世界に生きている」と指摘、米露など核保有国にも核廃絶への努力を促した。

 ICANは、1985年にノーベル平和賞を受賞した「核戦争防止のための国際医学者組織」の支援を受け、12か国の市民団体が参加し、07年にオーストリアで設立された。現在は日本を含む98か国400以上の団体が参加する。
2017年10月06日 19時50分    Copyright © The Yomiuri Shimbun

 

ノーベル平和賞にNGO「核兵器廃絶国際キャンペーン

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 ノーベル平和賞が決まり、喜ぶICAN事務所のフィン事務局長(右)やスタッフ=6日、スイス・ジュネーブ、松尾一郎撮影

 ノルウェーのノーベル委員会は6日、2017年のノーベル平和賞を、核兵器の非合法化と廃絶を目指す国際NGOで、今年の核兵器禁止条約成立に貢献した「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)に授与すると発表した。授賞式は12月10日にオスロで開かれる。
 委員会は、授賞理由を「核兵器がもたらす破滅的な結果を人々に気づかせ、条約で禁止しようと草分け的な努力をしてきた」と説明。「北朝鮮のように核兵器を開発する国が増えている」とも指摘した。足踏みが続いている世界の核廃絶に向けた取り組みを加速させる狙いがありそうだ。

 スイスのジュネーブに本部を置くICANは、1985年にノーベル平和賞を受賞した「核戦争防止国際医師会議」(IPPNW)のオーストラリアの運動から派生し、2007年に正式に発足した。核兵器使用の非人道性に焦点を当て、有志国とNGOが連携して成立させた対人地雷禁止条約やクラスター爆弾禁止条約をモデルに、核保有国が核軍縮を進めないことに不満を膨らませる非核保有国とタッグを組み、核兵器を非合法化する包括的な条約をつくることをめざしてきた。

 メディアやネットを使ったキャンペーンを展開。国際会議へのNGOの参加を促したり、核兵器禁止条約を求める国際世論を高めたりしてきた。広島での被爆体験の証言を続けるカナダ在住のサーロー節子さん(85)や、長崎の被爆者で「日本原水爆被害者団体協議会」(日本被団協)の代表委員も務め今年8月に88歳で亡くなった谷口稜曄(すみてる)さんら、核兵器の被害の実態を訴える日本の被爆者の声を、広く世界に伝える役割も果たしてきた。

 ICANの賛同団体は10月1日時点で101カ国の468団体に広がる。日本からはNGO「ピースボート」の川崎哲(あきら)共同代表(48)が国際運営委員に名を連ねる。

 核軍縮への道のりは依然として険しい。一時は7万発程度まで増えた世界の核兵器数は冷戦の終結などを経て減少しているが、今でも1万5千発程度が残る。70年に発効した核不拡散条約(NPT)は核保有国を米ソ英仏中の5カ国に限定したが核拡散は止められず、インドやパキスタンイスラエルが事実上の核兵器国となり、北朝鮮も核・ミサイル開発を加速させている。

 核兵器禁止条約に反対する核保有国や、米国の「核の傘」の下にある日本などの国々は、条約は国家間の分断を深めると批判してきた。条約の署名が始まった9月20日、ICANのフィン事務局長は米ニューヨークで「条約は道徳的に正しく、批判に強く耐えうるものだ。今は条約に参加しないことを選んだ国々も、いつでも歓迎する」と語った。

 今年の平和賞は、昨年に続き過去2番目に多い計318候補(215人、103団体)から選ばれた。賞金は900万スウェーデンクローナ(約1億2500万円)。(オスロ下司佳代子)

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 〈核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)〉 核戦争防止国際医師会議(IPPNW、1985年ノーベル平和賞受賞)を母体とし、2007年にウィーンで発足。日本のピースボートなど101カ国に468のパートナー団体を持つ。スイスのジュネーブと豪州のメルボルンに事務所を置く。有志国政府と連携して国際会議へのNGOの参加を促したり、核兵器禁止条約を求める国際世論を高めたりするために、メディアやネットを使ったキャンペーンを展開してきた。

2017年10月6日18時22分    朝日新聞デジタル