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メルケル独首相、4選確実…右派は第3党に躍進

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24日、ベルリンで、勝利宣言するメルケル独首相(ロイター)

 【ベルリン=井口馨、角谷志保美】24日投開票のドイツ連邦議会(下院)選挙は、独主要メディアの独自集計で、メルケル首相率いる中道右派キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の第1党の座維持が決まり、メルケル氏の首相4選が確実となった。

 難民受け入れ反対を主張する右派「ドイツのための選択肢」(AfD)は初議席を獲得しただけでなく第3党に躍進した。

 ただ、CDU・CSU、大連立の一角で中道左派社会民主党(SPD)は前回選挙(2013年)から、いずれも支持を減らし、CDU・CSUにとっては1949年以来、最低の得票率となった。「国民政党」と呼ばれ、独政治をリードしてきた2大政党の退潮が顕著となった。
2017年09月25日 11時28分    Copyright © The Yomiuri Shimbun

 

メルケル首相、得票率低迷が映す内憂外患

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ドイツ連邦議会選挙で勝利し、CDUの党本部で支持者にあいさつするメルケル首相(24日、ベルリン)=小園雅之撮影

 【ベルリン=赤川省吾】24日に投開票されたドイツ連邦議会(下院)選挙で保守系与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は勝利した。だが第1党になったとはいえ得票率は約33%と過去2番目に低い水準。選挙結果が示すのは内憂外患を抱えたメルケル首相の姿である。
 メルケル氏の誤算は2つある。1つは保守陣営の得票率が事前予想より2~5ポイント低かったこと。終盤戦で失速したことが明らかで、首相の党内での求心力が揺らいだ。いまの連立相手の社会民主党(SPD)が戦後最低の得票率(約21%)で惨敗し、次期政権では野党に転じると決めたことが2つ目の見込み違い。これにより政権を維持するための手段が、中堅政党である自由民主党(FDP)と緑の党の3陣営連立しかなくなった。
 FDPも緑の党も穏健政党でドイツの政策が激変するわけではない。そこはひとまず安心なのだが波乱要因は潜んでいる。両党ともメルケル氏の足元を見透かし、連立交渉には強気の姿勢で臨むからだ。
 最初の関門は閣僚人事。ユーロ圏に絶大な力を持つ財務相ポストを中堅政党は狙う。メルケル氏が保守陣営の重鎮ショイブレ財務相を残留させることができるかが問われる。
 次の焦点は欧州の統合深化にどう向き合うか。マクロン仏大統領は「ユーロ圏の共通予算」を提唱するが、FDPは時期尚早との立場。これをメルケル氏が説得できなければ統合が停滞するとの印象が強まりかねない。
 事態を複雑にしそうなのは10月に行われる地方選の存在だ。本来は「消化試合」のはずだったが、連立交渉に響くため、がぜん注目度が増した。地方選が終わるまでは連立交渉が進まないとの見方が多い。
 連立相手に妥協しすぎれば党内の求心力がさらに下がり、要求をはねつければ交渉がまとまらない。メルケル氏のジレンマは深い。しかし、かといって取って代わりそうな人物もいない。結局のところドイツも欧州もメルケル首相のさじ加減を待つだけ。2021年まで欧州政界の主役なのである。
2017/9/25 10:10     日経新聞