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「温度差」浮き彫り、「肩すかし」の訪ロ 日ロ首脳会談

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共同記者発表に臨むロシアのプーチン大統領(右)と安倍晋三首相=7日午後9時0分、ロシア・ウラジオストク、岩下毅撮影

 安倍晋三首相が訪問先のロシア・ウラジオストクで7日、プーチン大統領と会談した。経済連携の強化を弾みに、北方領土交渉を動かす糸口をつかみたいと臨んだ19回目の会談だが、ロシア側から投資活動の鈍さを指摘されるなど「温度差」が浮き彫りに。「肩すかし」の訪ロとなった。

 「北海道とサハリンを結ぶ回廊のような巨大事業ができれば、クリル諸島北方領土と千島列島のロシア側呼称)に、より柔軟な環境をつくれる」

 7日、ロシア政府主催の「東方経済フォーラム」であった日ロのビジネスイベント。日本の経営者を前に、ロシアのシュワロフ第1副首相はこう切り出し、日本の対ロシア投資の規模の小ささに不満を示した。

 日ロの経済連携は、北方四島以外での「8項目の経済協力プラン」と、北方四島での「共同経済活動」。この両輪を通して信頼関係を醸成し、領土交渉につなげる戦略を描いてきた。

 首脳会談で、両氏は日本側が「平和条約締結に向けた重要な一歩」(首相)と位置づける「共同経済活動」について、海産物の増養殖▽温室野菜栽培▽島の特性に応じたツアー開発▽風力発電の導入▽ゴミ減容対策、の5分野に具体的に取り組むことで合意。10月初旬をめどに現地調査を実施することで一致した。

 「8項目の経済協力プラン」の具体化では、医療・健康やエネルギー開発など56本のプラン文書に署名し、事業を進めていくことを確認。日ロ両国に進出した企業の収益にかかる税金を免除したり、税率を下げたりする日ロ租税条約を改正し、日本企業のロシア進出への環境も改善した。

 また、人道的理由から日本側が重視してきた北方四島への初めてとなる空路による墓参を今月下旬に実施し、高齢の元島民らへの配慮から、訪問先の島で宿泊することで一致した。日本としてはこうした成果も領土交渉へのテコにしたい考えで、安倍首相は共同記者発表で「ともに利益を享受する形として結実するよう私たちの努力は続く」と前向きな姿勢を強調した。

 ただ、ロシア側が領土交渉の前提となる経済協力に期待するのは、両国を結ぶ橋やパイプライン、送電網など国家規模のプロジェクト。日本側は今回の会談で経済連携の成果を強調したが、ロシアの評価とはほど遠い。8月にメドベージェフ首相が北方領土経済特区「先行発展地域」を創設する決定に署名したのも、日本の投資を待ち続けるより中国や韓国などの投資を呼び込む方が得策との判断があった可能性もある。

 首脳会談前のフォーラムで、プーチン氏は同じ壇上にいた安倍首相を横目に、客席にいた中国の汪洋(ワンヤン)副首相を指して「汪氏に友好勲章を与えた。極東地域への投資の8割が中国だ」と披露。続いて安倍首相に、冗談交じりで語りかけた。

 「(日本の)対ロシアの経済協力担当の大臣の地位を、副首相に格上げしたらどうか」(小野甲太郎、ウラジオストク=中川仁樹)

2017年9月7日21時29分    朝日新聞デジタル

 

 

対北、プーチン氏「対話を」…首相は圧力を主張

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共同記者発表を終え、握手をする安倍首相(左)とロシアのプーチン大統領(7日夜、ロシア・ウラジオストクで)=松田賢一撮影

 【ウラジオストク(ロシア極東)=田島大志、中島健太郎】安倍首相は7日午後、ロシア・ウラジオストクプーチン大統領と会談した。

 両首脳は北朝鮮が強行した6回目の核実験について「深刻な脅威」との認識で一致し、緊密に連携していくことを確認した。しかし、具体的な対応を巡っては温度差があり、首相は圧力強化を求めたのに対し、プーチン氏は対話の重要性を強調した。北方領土での「共同経済活動」では、観光や海産物養殖など5項目を早期の対象事業とすることで合意した。

 首相とプーチン氏の首脳会談は、7月に独ハンブルクで行って以来、通算19回目。今回は約3時間20分会談し、このうち20分間は通訳のみを交えて1対1で行った。会談後の共同記者発表で、首相は核実験や弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮について、「このような道を進んでいけば明るい未来はないことを北朝鮮に分からせて、その政策を変えさせる必要がある」と主張。プーチン氏は「問題を解決するためには政治的、外交的な手段しかない。対話を続けなければならない」と述べた。
2017年09月07日 21時12分    Copyright © The Yomiuri Shimbun