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上部が球状、全国初の埴輪 京都・五塚原古墳で出土

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五塚原古墳から発見された埴輪棺。全国で類例のない形状だと判明した(向日市寺戸町・市文化資料館)

 国史跡・乙訓古墳群の一つで古墳時代前期の前方後円墳「五塚原(いつかはら)古墳」(京都府向日市寺戸町)で見つかった埴輪(はにわ)が、全国の発掘例で類例のない形状をしていることが5日までに、市埋蔵文化財センターの調査で判明した。埴輪上部が球状で開口部の立ち上がりが低く「朝顔形円筒埴輪」の中で異形の特徴があった。一方、丹後地方独特とされる「丹後型円筒埴輪」に外観上の共通要素があるといい、専門家は「製作技術が乙訓を介して丹後へ伝わった可能性を示す重要な資料」と評価する。

 同センターによると、埴輪は昨年9~10月に古墳の裾部分から出土。80年以上後に築造された近隣の妙見山古墳から運ばれ、五塚原古墳の主の子孫を納めた埴輪棺とみられる。

 埴輪の破片約300点を接合し、高さ約66センチ・口径約20センチに復元した結果、埴輪上部が丸みを帯びて円筒形の器台よりも膨らんでおり、立ち上がりが約1・5センチと開口部の広がりがほぼなかった。製作方法から朝顔形円筒埴輪に分類できるものの、同埴輪の上部はつぼの形にかたどられ、開口部が大きく広がるのが特徴で、今回そうした形状はみられなかった、という。
 同センターは「貴重品を納める容器『合子(ごうす)』など、つぼとは違う物を模したとも考えられる。朝顔形円筒埴輪の中で新たなタイプに位置づけられる」とする。
 丹後地方では、古墳時代前期の網野銚子山古墳などから、円筒形をした器台の上部先端がしぼんだ丹後型円筒埴輪が出土しており、今回の埴輪と外観上、共通する部分があるという。
 埴輪製作の経過に詳しい奈良文化財研究所の廣瀬覚主任研究員は「今回の形状の埴輪が、丹後型の基となった可能性がある。乙訓地方を介して大和王権から丹後地方へ技術が伝わった経路が見えてくる」と話す。
 同センターは10月9日まで向日市寺戸町の市文化資料館で開催中の成果展「先祖の記憶―古墳時代の祖霊観」で復元した埴輪などを展示している。

9/6(水) 8:30   京都新聞