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野生カワウソ、38年ぶり発見…韓国から渡る?

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国内で38年ぶりに生きている姿が確認されたカワウソ。自動撮影装置で記録されていた(長崎県対馬市で)=琉球大提供

 琉球大の伊沢雅子教授(動物生態学)らの研究グループは17日、国内で38年ぶりに野生のカワウソを長崎県対馬で確認したと発表した。

 日本にいた「ニホンカワウソ」は絶滅したとされており、今回のカワウソの種類は特定できていない。

 研究グループによると、今年2月、ツシマヤマネコの生態を調査するため対馬の山林に仕掛けた無人カメラに、偶然、カワウソが5秒間ほど映った。保護の観点から、詳しい撮影場所は明らかにしていない。健康状態は良好そうで、性別は不明という。

 小さい頭や、太くて長い尻尾などの特徴からカワウソと断定した。研究グループは、〈1〉対馬でカワウソが細々と生き残っていた〈2〉大陸に広く分布する「ユーラシアカワウソ」が韓国から渡ってきた〈3〉人が持ち込んだ――の三つの可能性があるとみている。
2017年08月17日 13時41分    Copyright © The Yomiuri Shimbun

 

カワウソ : どこから 韓国から泳ぎ着く?ペット捨てられた?絶滅逃れ生き残り?

 長崎県対馬で撮影されたカワウソはどこから来たのか--。朝鮮半島由来のユーラシアカワウソの可能性が高いと指摘されているが、日本で絶滅したとされるニホンカワウソの生き残りであることも否定できない。7月から調査に乗り出している環境省の担当者は8月下旬にも再び現地入りし、ふんを採取するなどして調査を進める方針だ。【五十嵐和大、阿部周一、伊藤奈々恵】

 環境省によると、7月11~18日の調査で島内でカワウソのふん7個が見つかり、そのうちDNA型の分析が可能な2個を詳しく調べた。その結果、これが別々の個体のもので、少なくとも2匹いる可能性があることが判明した。ただ、推定1~2カ月たった古いもので、ニホンカワウソのものか、ユーラシアカワウソのものかは判別できなかった。同省の担当者は「調査範囲を広げるなどして、新鮮なふんを見つけたい」と話した。新鮮なら、雄か雌かも分かるという。

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絶滅したとされるニホンカワウソ

 環境省と共に調査している佐々木浩・筑紫女学園大教授(動物生態学)は、「韓国から渡ってきたユーラシアカワウソの可能性が高い。韓国では、朝鮮半島から約30キロの離島にも生息している。どちらも、DNA型が同じなので本土と行き来していると見られる」と指摘。「長距離を泳ぐ能力は十分ある。海流に乗れば約50キロ離れた対馬にたどり着くこともあり得る」と話した。

 画像を見た東京農業大の和久大介助教(バイオセラピー学)は、「顔の形や体形、動き方などから明らかにカワウソだ。一気に何十キロも泳ぐ能力はないが、偶然が重なって朝鮮半島から泳ぎ着いた可能性はある」と説明した。

 ユーラシアカワウソはワシントン条約で輸出入が禁止されているが、密輸もあるとも言われる。和久助教は「ペットだったユーラシアカワウソが逃げたり捨てられたりした可能性も考えられる」と話した。また、東南アジアなどに分布するコツメカワウソは、輸出側政府の許可証があれば輸入は可能だ。

 ニホンカワウソはかつて北海道から九州まで全国に分布。ユーラシアカワウソは大陸に広く分布している。対馬には江戸時代にいたとの記録もあるが、それがユーラシアカワウソの可能性も否定できないという。

 

ニホンカワウソのこれまで

明治初期     日本中に分布し、東京でも生息

1923~27年 北海道~大分県の1道24県で、計325匹捕獲の狩猟記録

  28年    北海道で絶滅か。国が狩猟を禁止

  54年    和歌山県で本州最後の捕獲

  65年 5月 国の特別天然記念物に指定

  79年 8月 高知県須崎市の新荘川で生きたカワウソを最後に確認

  86年10月 同県土佐清水市の海岸で死骸を発見

  89年12月 国が絶滅危惧種に指定

2012年 8月 国が「絶滅」を宣言

 

 ■ことば

カワウソ
 イタチ科の哺乳類で、世界に13種類が水辺に生息。魚など水生生物を食べる。ニホンカワウソの体長は約60~80センチ。約40センチの長い尾を持つ。かつて北海道から九州までいた。日本の固有種か、アジアから欧州に分布しているユーラシアカワウソから分岐した亜種と考えられている。2012年の環境省の絶滅宣言後も四国を中心に数十件の目撃情報があるが、ふんなどDNA型鑑定できる材料は見つかっていない。

毎日新聞    2017年8月17日 東京夕刊