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若者のフェイスブック離れじわり 総務省SNS調査

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 友達とのやりとりはFBではなくツイッターで――。SNS(交流サイト)の間で、若い世代を中心に「フェイスブック(FB)」離れが進んでいる。総務省が7月に公表した調査によると、20代のフェイスブック利用率が2016年に前の年と比べ7ポイント減の55%となり、逆にツイッターの利用が5ポイント増の60%に増え逆転した。「LINE」を幅広い世代が利用しているほか、写真共有アプリ「インスタグラム」が主に10~30代の女性の支持を得ている実態が明らかになった。

■「高齢化」進むFB

 総務省の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、ツイッターは10~20代に利用が集中しており、10代の61%が利用する。一方で10代のFB利用は16年に4ポイント低下し19%となった。利用率はツイッターの3分の1程度だ。

 FBは30~60代の利用率が上昇傾向にあり、40代は1ポイント増の35%、50代は5ポイント増の24%と少しずつ利用者の高齢化が進んでいる。

 高齢化には負の面もある。会社の上司や親世代の参加が増え、若者が逃げ出していると以前から指摘されていたが、この調査ではFBは10~20代の若者の利用が減り、数字でも裏付けられた。

 FB利用者の中心の30~40代の間でも高齢化に困惑する声がある。「会社の上司から友達リクエストが来て煩わしいと思った」(都内の30代前半の男性会社員)、「昔の先輩からリクエストが来たが同期入社以外は無視している。社内のウエットな関係を持ち込みたくない」(都内の40代の男性会社員)。ただ、海外赴任になった友達の連絡もとりやすいメッセンジャー機能を使うためFBにとどまる人もいるようだ。

 一方、都内に住む男子大学生は「昔の同級生などとのつながりを維持するために登録は続けているが利用していない。友人との交流はツイッターが中心」と話す。親にプライベートを探られるのを敬遠する向きもある。

■「鍵垢」で仲間と交流する10代

 FBから離れた若者の支持を集めるツイッター。どう使われているのだろうか。

 「クラスの友人の3分の1程度はツイッターを利用している」。東京都練馬区中高一貫校に通う女子高生Aさん(15)は友達とツイッターで交流している。ツイッターは自分のつぶやき(ツイート)が「リツイート」で不特定多数に拡散されるのが特徴。Aさんは以前何気なくつぶやいたことが拡散し、「4万リツイート、8万いいねが付いて驚いた」と話す。

 もっとも広がるばかりが狙いではない。Aさんは「友達のほとんどは“カギアカ”で利用している」と話す。カギアカとは、高校生の間で一般的な言葉で、承認した人以外は見られない“鍵垢”(公開対象を限定する「鍵アカウント」の通称)のこと。若い世代で仲間内での交流に利用するケースが多いという。公開用と親に内緒の限定のアカウントとを使い分けるケースも多い。

 勢いがあるのがインスタグラム。主な支持層は20~30代の女性で、20代女性の57%、30代女性の43%、10代女性の41%が利用。公開する画像の美しさやかっこよさにこだわり、付け加える文章は少なめだ。「インスタ映え」(画像を公開したときに見栄えがする)という言葉にも表れているように、画像が主役。おしゃれに撮影した料理やファッションの画像を公開する女性が多い。30代男性の利用は18%、10代男性も21%にとどまり、男女差が際立つ。

 逆に男性の利用率が高いのが、動画や生放送番組にコメントが付けられる「ニコニコ動画」。20代男性の47%が利用しているのに対し、20代女性の利用率は26%にとどまった。「モバゲー」や「グリー」などのゲームが中心のサービスも男性の利用が女性を上回った。

■LINE、家族との連絡手段として定着

 「きょうは夕ご飯いる?」「うん、お願いします」。東京都江東区に住む女子大学生(23)は50代前半の母親との日々の連絡にLINEを利用している。スマートフォンスマホ)の画面を開いて短いメッセージを入力するだけで済み、「電話やメールより手軽」(50代男性)。LINEは50代でも11ポイント増の54%と初めて利用率が5割を超えた。大学生の子供を持つICBCスタンダードバンク東京支店長の池水雄一さん(54)は「家族との連絡にLINEを使い、趣味のランニング仲間とのやりとりはFBを利用している」という。

 LINEの利用率は20代が96%と最も高く、30代が90%、10代が79%、40代が74%。60代になると利用率は落ちるが、それでも24%が利用している。LINEは1対1の対話が基本で使い方もシンプルなため、スマホ初心者にもわかりやすい。「部活の連絡がLINEで来る」(私立男子高1年生)、「子供の小学校のPTAの連絡で使用」(40代女性)などの声が聞かれ、幅広い世代に利用されている。

 スマホの個人での保有率は16年時点で57%と5年前の4倍に達した。20~30代の9割、40代の8割、60代でも3割が保有しており、「1人1台時代」が近づいている。次々と新サービスが登場するなか、飽きられると一気に利用者が減る傾向もある。FBに先行した「ミクシィ」の20代の利用率は12年に48%あったが16年には13%まで低下した。(佐藤史佳)

2017/8/16 12:24    日本経済新聞 電子版