今日のニュース

気になったニュース

階段状の岩や参道?「海底遺跡」にダイブ…出雲

f:id:obaco:20170726111336j:image

「ボングイ」にある階段状の岩(尾崎孝撮影)

 島根県出雲市の日御碕沖の海底にある人工物のような地形や岩が、ダイバーに「海底遺跡」と呼ばれ人気を集めている。

 夕日信仰で知られる日御碕神社に近く、地元の人たちは「昔の信仰の痕跡では」と推測。インターネットの動画などで存在を知った全国のダイバーが訪れ、近くの出雲大社を含む一帯の歴史が今年4月、文化庁の「日本遺産」に認定されたことも人気を後押ししている。

 地元でダイビングステーション「アクア工房」を経営する岡本哲夫さん(64)が2000年以降、日御碕の周辺の海底(水深約3~30メートル)に、人工物のような形状の岩など約20か所をみつけた。

f:id:obaco:20170726111449j:image

 岡本さんによると、地元で「サドガセ」と呼ばれる北側の瀬には、約1・2メートルの甲羅を持つ亀の形をした岩があり、その頭に向かって流れる滝のような跡が岩に刻まれている。高さ十数メートルの二つの岩が支え合うように立つ場所もある。

 最北の瀬「ボングイ」には、6段の階段状の岩が存在。日御碕神社が毎年8月7日、夕日に向かって神事を行う経島ふみしまの近くには、直径10~15センチ程度の石が洞窟の海底一面にあり、ダイバーの間で「玉砂利」と呼ばれている。経島と、西の瀬「タイワ」との間には、大きな岩に挟まれた空間があり、「参道」と名付けられている。

 日御碕神社の小野高慶たかよし宮司(53)によると、戦国時代の西暦1500年頃、「経島沖に霊島(浮島)が出現し、その島の蓬莱竹ほうらいちくと金砂を将軍家に献上した。島は数十日後に沈んだ」とする古文書が同神社に残されている。岡本さんは「かつてあった拝殿などが、地殻変動で沈んだのではないか」と推測する。

 海底地形について考古学の専門家による調査はなく、人工物か自然にできた地形なのかははっきりしない。画像や動画を見た島根大の汪発武おうはつぶ教授(地すべり学)は「自然にできた可能性はあるが、島根半島地震による地すべりが発生しやすく、地表にあったものが海底に沈んだのかもしれない」という。

 海底地形は動画投稿サイトなどで評判を呼び、訪れるダイバーが年々増加。静岡県富士宮市、会社員(41)は経島付近を潜り、「他の海では見たことがない神秘的なスポットがいっぱいあった」と感動した様子だった。

 出雲観光協会の小野篤彦事務局長は「多くの人に訪れてもらい、神話が残る地域でロマンを感じてほしい」と話している。

 ◆沖縄、熱海にも

 「海底遺跡」と呼ばれるダイビングスポットは各地に点在する。

 日本最西端にあたる沖縄県与那国島沖のスポットは1986年に地元のダイバーが発見。階段状の構造や直線で切り取ったような岩が巨大な神殿を思わせるが、人工物かどうかはわかっていない。沖縄本島中部の北谷ちゃたん町沖の海底にも、ピラミッド状の巨岩がある。

 静岡県熱海市沖では約40年前からこれまでに、石畳や石垣にみえる人工的な形状の石や岩が発見されている。周辺では素焼きの壺つぼの破片なども見つかった。(宮地恭平、中筋夏樹)

2017年07月26日 10時12分    Copyright © The Yomiuri Shimbun