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九州豪雨、死者15人に 8日も局地的に激しい雨の恐れ

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土砂や流木が流れ込んだ家の付近で行方不明者を捜索する自衛隊員や警察官ら=7日午後2時27分、福岡県東峰村朝日新聞社ヘリから、内田光撮影

  九州北部を襲った記録的な豪雨で、福岡、大分両県での死者は7日、さらに増え、計15人になった。救助活動が進み、被害状況が少しずつ明らかになっているが、両県ではなお多くの人が孤立し、連絡の取れない人もいる。九州北部では8日も局地的に激しい雨になる恐れがあり、気象庁が警戒を呼びかけている。

 最も死者が多いのは福岡県朝倉市。市内の川岸で7日午前10時半ごろ、消防団員が樋口健太さん(21)の遺体を見つけた。朝倉市黒川では3人の遺体(男女不明)が見つかった。ほかに2人も見つかり、朝倉市での死者は10人になった。

 川の氾濫(はんらん)や土砂崩れ、流木などで道路が寸断され、救助部隊は近づけず、ヘリコプターなどを使って救助を進めた。市の説明では午後9時現在、孤立しているのは1人。ただ、10人の行方がわかっていない。市内の避難所には776人が避難している。

 朝倉市の東隣にある東峰村では7日午後、2人の遺体が見つかった。村の午後8時現在のまとめでは、村内では104世帯313人が孤立状態にあるほか、630人が避難所に避難している。

 大分県日田市二串の田んぼでは7日午前9時40分ごろ、住民が女性の遺体を発見。県警は6日に遺体で見つかった矢野英俊さん(79)の妻(70)とみて確認している。日田市での死者は3人になった。

 福岡県によると、午後6時現在、朝倉市添田町の2万1703世帯5万5342人に避難指示が出ている。家屋の全壊や浸水などの被害は計215件。

 大分県は、午後3時半現在で10~90代の男性5人女性7人の計12人と連絡が取れていないと発表。避難指示は日田市の約1万2千世帯約4万人に出されている。避難者は午後0時半現在、日田市、中津市などで137世帯313人。家屋の被害は計135件。

 政府は7日、警察、消防、自衛隊による救助態勢を7800人から1万2千人に増強した。内閣府松本洋平副大臣は7日、朝倉市の災害現場を視察。激甚災害指定について「できる限り早く指定できるようにしていきたい」と述べた。

     ◇

 今回の豪雨災害で亡くなり、身元がわかったのは次の方々。

 【福岡県】朝倉市杷木松末、藤本哲夫さん(66)▽同、樋口健太さん(21)▽朝倉市山田、加藤年彦さん(87)▽同、加藤幹子さん(85)▽朝倉市宮野、浦塚茂弘さん(70)

 【大分県】日田市小野、山本岳人さん(43)▽日田市鶴河内、矢野英俊さん(79)

2017年7月7日23時08分    朝日新聞デジタル

 

 

「1~2軒残して全滅。知人は…」 九州豪雨、捜索続く

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抱き合って喜ぶ町田弘さんと孫の金丸夏希さん=7日午前7時58分、福岡県朝倉市の甘木公園、浅野秋生撮影

 九州北部では7日も、断続的に雨が降り続いた。孤立集落からヘリで救出され、ようやくの再会に笑顔を見せる住民の姿があった。その一方で、死亡が確認され、悲しみに暮れる人たちの姿も。大量の倒木の中、自衛隊らの懸命な捜索活動が続いた。

 福岡県朝倉市の甘木公園芝生広場には7日午前6時過ぎから、孤立した地域の被災者を乗せたヘリが次々と降り立った。市によると正午現在、計114人を搬送。救助された人たちは家族との再会に笑顔を見せる一方、集落の深刻な被災状況を口にした。

 朝倉市の会社員金丸明美さん(45)は、娘の夏希さん(22)や親戚らと午前6時ごろから広場で救助ヘリを待ち続けた。同市黒川に住む父親の町田弘さん(73)が取り残されていた。

 午前8時ごろ。ヘリから町田さんが降りてきた。けがもなく、元気そうな姿。親と子、孫は抱き合い、涙を流して喜んだ。

 黒川は市の中心部から少し離れた山あいの地域。市によると7日午前8時半現在、108人が孤立している。

 町田さんは5日午後、自宅から離れた場所で被災。地区内のコミュニティーセンターに多くの人と避難していたところを救助されたという。「コミュニティーセンターの近くにあった10軒ほどの家は、1、2軒を残して全滅した。壊れた家に住んでいた知人はどうなったのだろうか」と心配そうに話した。

 町田さんによると、黒川では至る所で土砂崩れや家屋の流失が起きている。町田さんの自宅も大雨で流された。その自宅にいた妻は、近所の人たちと車で避難し、一足早く6日にヘリで救助されたという。

 同市杷木松末(はきますえ)で孤立し、救出された農業井手寛さん(88)は、妻の悦子さん(82)と一緒にヘリを降りた。

 2人は自宅に2日間、閉じ込められた。豪雨の際、自宅の1階は濁流にのまれた。家の前を流されていく軽トラックを見て、寛さんは「生きた心地がしなかった」。食べ物はほとんど無く、「お茶を湯飲み茶わんに半分ずつ、小さなおかき二つを2人で分け合った」と悦子さんは語った。けがすることなく救出され、そろって「ほっとしました」と笑顔を見せた。

■電話で「タンスの上に逃げている」

 朝倉市によると、家族3人が行方不明となっている同市杷木林田では午前9時過ぎ、自衛隊や地元の消防団ら約30人が、3人がいたと思われる民家の捜索を始めた。

 この地域の住民によると、豪雨による土砂で数軒が流されたという。捜索中の平屋建ての民家は、ほぼ半分が流失しており、家の中に1メートル以上積もった土砂をスコップで掘り進め、流木をどかしながら、手作業で捜していた。

 近所の人の話では当時、3人から別の親族に「タンスの上に逃げている」と電話があったが、その後は連絡がとれなくなったという。

 同市山田でも午前8時前から、行方不明者の捜索が続いた。民家の裏は濁流が川のように流れ、近くの畑には人の腰の高さほどまで流木が積み上がり散乱。消防が周囲の木を切り倒しながら、捜索を続けていた。

 同市杷木松末の樋口茂喜さん(60)は7日朝、長男とともに、自宅のある集落に徒歩で向かった。母(85)と次男(21)の2人と連絡が取れないまま。だが、集落につながる道路は寸断され、川も増水して危険な状態。捜索隊について行くことは出来なかった。

 樋口さんによると、2人と最後に話をしたのは5日午後4時前。「今から(自宅を)出るよ」と、次男から電話があって以降、連絡がつかないという。

 2人は自宅から白の軽ワゴン車に乗って避難したはず、と樋口さん。仮に車ごと流されていたとしても、どこかで車が引っ掛かっていないか、との思いで駆け付けた。

 次男は交際相手との結婚を考えていたという。樋口さんは「助からんでも、早く見つかってほしい」と願った。

2017年7月7日15時26分    朝日新聞デジタル