記録的な大雨となった福岡県朝倉市付近では、積乱雲が帯状に連なる「線状降水帯」が、約6時間で次々に四つ発生したとする解析結果を、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)がまとめた。
同研究所は「次々にできた線状降水帯が長時間同じ場所にとどまったため、局所的な大雨になった」としている。
同研究所は、大雨のピークとなった5日午前11時から午後4時50分までに、朝倉市付近で観測された国土交通省のレーダーのデータを分析。その結果、同市付近の上空では、長さ数十キロ、幅10キロ未満の線状降水帯が次々に四つ発生。同市付近に何時間もとどまり続ける様子が確認された。同時に複数出現していた時間帯もあったという。
また、データをもとに同研究所が積乱雲の立体イメージを作成したところ、線状降水帯を構成する積乱雲は、高さ15キロ・メートルを超えるほど大きく発達したものもあり、1時間に100ミリを超える猛烈な雨をもたらしたことも判明した。強い上昇気流で雨粒のもとになる水分が凍らないまま、いったん上空高く持ち上げられ、降下する際に雲の中の水分と合体。地上に降り注ぐ雨粒がより大きくなり、被害が拡大したとみられる。
2017年07月07日 15時04分 Copyright © The Yomiuri Shimbun