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習主席が香港訪問 独立派議員の資格剥奪を称賛

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香港国際空港に到着した中国の習近平国家主席(中)(29日、香港)=小川望撮影

 【香港=粟井康夫】中国の習近平国家主席は29日、7月1日の香港返還20年記念式典に出席するため、就任後初めて香港に入った。習氏は香港政府高官らとの会合で「香港独立勢力に有効な打撃を与え、社会の安定を守った」と中国からの独立を志向する香港立法会(議会)議員の資格剥奪を称賛。国家主権を最優先する姿勢を鮮明にした。
 2016年9月の立法会選挙で、香港独立を志向する「本土派」の候補が複数当選した。就任宣誓に「香港は中国ではない」と英語で書かれた幕を持ち込み、中国を侮辱するような表現を使った游●禎(●はくさかんむりに惠)、梁頌恒の2議員に対し、香港政府トップの梁振英行政長官は議員資格の剥奪を求める訴訟を起こした。

 憲法にあたる香港基本法の解釈権を持つ中国の全国人民代表大会全人代、国会に相当)常務委員会も16年11月、「規定に沿わない故意の宣誓は無効で、公職資格を直ちに失う」との法解釈を下し、2議員は敗訴した。習氏の発言は中央と香港政府の連携を評価し、国家分裂を図る動きを容認しない姿勢を改めて示した。

 習氏が香港を訪れるのは国家副主席だった08年以来、9年ぶり。国家主席としての訪問は初めてだ。3日間の滞在中、人民解放軍の駐香港部隊を激励に訪れるほか、香港と広東省珠海市やマカオを結ぶ世界最長級の海上大橋「港珠澳大橋」の工事現場などを視察する予定。習氏は香港に高度な自治を保障する「一国二制度」の経済面の成果も強調し、融和を演出したい考えだ。

 一方、政治的な締め付けに反発する香港の民主派団体は7月1日に大規模な抗議デモを計画している。民主派の立法会議員は30日の習氏の歓迎夕食会で、選挙制度改革のやり直しを求める連名の書簡を手渡す方針だ。末期の肝臓がんと診断された中国の民主活動家、劉暁波氏の即時釈放を求める声も高まっている。

 香港警察は約1万人の警官を動員し、習氏が宿泊するホテルの周辺道路を完全封鎖するなど警備を強化している。28日には中国政府から贈られた記念碑を占拠した雨傘運動の主導者の1人、黄之鋒氏ら民主活動家の身柄を拘束した。独立を唱える香港民族党が30日に計画していた集会に対しても「同党の綱領は(香港が中国の不可分の領土と定める)香港基本法に違反する」として禁止を通知した。

2017/6/29 19:58    日経新聞