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「大崎事件」元受刑者の再審開始決定 鹿児島地裁

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原口アヤ子さん=2014年6月撮影

 鹿児島県大崎町で1979年に男性(当時42)の遺体が見つかった「大崎事件」で、殺人と死体遺棄の罪で服役した原口アヤ子さん(90)が裁判のやり直しを求めた3度目の再審請求について、鹿児島地裁(冨田敦史裁判長)は28日、再審開始を認める決定を出した。「客観的証拠がなく共犯者の自白の信用性も高くない。共謀も殺害行為も死体遺棄もなかった疑いを否定できない」と判断した。

 原口さんは事件の発生後から一貫して無実を主張。90年に出所し、95年に鹿児島地裁に再審を請求。一度は開始決定が出たが、福岡高裁宮崎支部が取り消した。2度目の請求は2013年に鹿児島地裁が棄却、即時抗告も棄却された。

 15年7月に申し立てた第3次請求で弁護団は、目撃証言の内容を分析した心理学的鑑定書と法医学鑑定書を新証拠として提出した。

 第2次再審請求の即時抗告審で信用性が認められた義妹の目撃証言は「体験記憶に基づかない情報が含まれる可能性が高い」とした鑑定について、地裁は「一定程度の合理性を有する」と判断。元夫や義弟の自白については、捜査機関の誘導や迎合で供述が変遷した疑いがあると指摘した。

 第3次請求審では、検察側が裁判所の勧告を受け、捜査資料のネガフィルムを新たに開示した。確定判決が認めた「タオルによる絞殺」について、弁護団はこの写真から「死斑などがなく窒息死の所見が認められない」とする法医学鑑定書を出した。地裁は「窒息死を否定することはできない」としつつ「確定判決時の鑑定の証明力は脆弱(ぜいじゃく)なものとなった」とした。

 そのうえで「自白を裏付ける客観的証拠は存在せず、共謀も殺害行為も死体遺棄もなかった疑いを否定できない」と結論づけた。

 第2次請求からは元夫(故人)の遺族も再審を求めていたが、今回、元夫の再審も認められた。即時抗告の期限は7月3日。原口さんが高齢であることから、弁護団は地検に即時抗告しないよう求めた。

 確定判決では、原口さんは元夫と義弟の2人と共謀し、79年10月12日午後11時ごろ、被害者である元夫の末弟(当時42)宅で、泥酔していた末弟の顔面を殴打し、「これで絞めんや」と言って元夫にタオルを渡して絞殺。殺害後、おいに加勢を求め、4人で遺体を牛小屋に運んで遺棄したとされた。死因は、頸部(けいぶ)圧迫による窒息死と認定した。(野崎智也)

2017年6月28日21時02分    朝日新聞デジタル

 

 

90歳、戦い続けた38年 大崎事件再審決定

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これまでの流れ

 90歳を迎えた原口アヤ子さんに吉報が届いた。鹿児島県大崎町で起きた「大崎事件」から38年。鹿児島地裁の28日の再審開始決定を受け、原口さんは目に涙を浮かべて「ありがとう」と喜んだ。「命あるうちに再審無罪を」という弁護団や支援者の願いは実現に一歩近づいた。

 午後1時半過ぎ、雨がぱらつく地裁前。弁護団の2人が「再審開始決定」「二度目の画期的決定」と書かれた幕を勢いよく広げると、支援者から歓喜の声が上がった。

 今月90歳を迎えた原口さんはこの日、体調を考慮して鹿児島県志布志市のホテルに支援者らと滞在。地裁には姿を見せなかった。弁護団長の森雅美弁護士は「なんとか、間に合った。本当によかった」。支援に奔走してきた弁護団事務局長の鴨志田祐美弁護士も目頭を押さえた。

 地裁では原口さんの元夫(故人)の再審開始決定も出た。再審を求めていた2人の長女、西京子さん(62)=大阪府=は「38年間、母は苦しんできた。母は、事件のことだけは忘れられないみたいです」と語った。「人生が無駄になりますので、無罪になってもらわないと困ります」

2017年6月28日21時55分    朝日新聞デジタル

 

 

「大崎事件」で再審開始を決定 鹿児島地裁

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「再審開始決定」と書かれた垂れ幕を掲げる弁護団ら(28日、鹿児島地裁前)

 鹿児島県大崎町で1979年に男性の遺体が見つかった「大崎事件」で殺人罪などに問われ、懲役10年が確定し服役した原口アヤ子さん(90)の第3次再審請求審で、鹿児島地裁(冨田敦史裁判長)は28日、再審開始を認める決定をした。
 過去の再審請求審でいったん再審開始が認められたが、その後取り消され、弁護側が改めて再審開始を求めていた。

 事件は79年10月、大崎町で農業の男性(当時42)が遺体で見つかり、男性の義姉だった原口さんと元夫ら計4人が起訴された。原口さんは捜査段階から一貫して否認を続けたが、最高裁で懲役10年が確定した。

 客観証拠が少なく、有罪判決の柱となったのは元夫ら共犯者3人の「自白」だった。弁護側によると共犯者には知的障害があり、第1次再審請求審では地裁が2002年に「自白に強制や誘導があった」として再審開始を認めたが、その後福岡高裁宮崎支部が取り消し、最高裁も支持。第2次請求審でも裁判所は請求を退けた。

 15年7月に始まった第3次請求審でも自白の信用性が争点となり、弁護側は「(原口さんらから)犯行を聞いた」とする別の親族の供述に信用性が無いとする心理学の鑑定書などを新証拠として提出した。

2017/6/28 13:36    日経新聞

 

 

「大崎事件」再審開始を決定…鹿児島地裁

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再審開始が決定し、原口アヤ子さんの写真などを掲げて報告する弁護士ら(28日午後1時31分、鹿児島地裁前で)=秋月正樹撮影

 鹿児島県大崎町で1979年に男性の遺体が見つかった「大崎事件」で、殺人罪などで懲役10年の判決が確定して服役した原口アヤ子さん(90)の第3次再審請求について、鹿児島地裁(冨田敦史裁判長)は28日、再審開始を決定した。

 また、懲役8年の刑で服役した原口さんの元夫の中村善三さん(死亡)の再審請求についても、再審開始を決めた。

 原口さんの再審請求が認められたのは、2002年の第1次再審請求での同地裁決定以来、2度目。

 最大の争点は、中村さんや義弟ら共犯者とされる3人の自白の信用性と、男性の死因だった。

 第2次再審請求の即時抗告審で、福岡高裁宮崎支部は自白について「それ自体では(信用性は)高いとは言えない」としながら、義妹の「(義弟から)『殺してきた』と聞いた」などとする証言を支えに、自白の信用性を認めた。

 このため、弁護側は新証拠として、義妹証言の信用性を否定する心理鑑定書を提出。鑑定書は「体験していないことを語っている可能性が高い」としており、3人の自白も信用できないと主張した。さらに、検察側が新たに開示した64本のネガフィルムを分析。中村さんらが現場を再現した様子などが写っていたが、それぞれに食い違いがあるなどと指摘した。

 また、弁護側は「死斑が見られないなど、遺体の状況と確定判決で認定した殺害方法(絞殺)に矛盾がある」とする法医学鑑定書も提出し、「死因は事故による出血性ショック死の可能性が高い」とした。

 一方、検察側は心理鑑定書について「(再審開始に必要な)証拠としての新規性がない」と反論。法医学鑑定書に対しては「遺体が腐敗したことで死斑が見られなくなった」などと主張していた。

 事件は有力な物証などはなく、原口さんは、取り調べ段階から一貫して否認。しかし、中村さんらの「(原口さんに)犯行を持ちかけられた」とする自白が主な根拠となり、有罪が確定。出所後の1995年に最初の再審請求を申し立てた。

 鹿児島地裁は2002年に再審開始を決定したが、その後は全て退けられた。中村さんの再審請求は、遺族が行っていた。

2017年06月28日 13時54分    Copyright © The Yomiuri Shimbun