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IS「人間の盾」、逃げれば射殺 モスル解放作戦

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激しい戦闘が続くモスルの旧市街から救出されたマーンさんと、生まれたばかりの長女カマルちゃん=23日、イラク北部モスル、杉本康弘撮影

 イラク軍などによる解放作戦が最終局面に入ったイラク北部モスル。過激派組織「イスラム国」(IS)が支配する旧市街から救出されたばかりの住民の話から、「人間の盾」の実態がわかった。断続的に続く爆発、狙撃手による銃撃、水と食料の不足で、死と隣り合わせの生活だった。住民は疲れ果てているが、「盾」からの解放を喜び、破壊されつくされた街の再生を祈っている。(モスル〈イラク北部〉=渡辺淳基、其山史晃)

 23日午後、旧市街から約1キロ離れた応急救護所。ほおがこけ、目が落ちくぼんだ人々が、イラク軍の装甲車で次々運ばれてきた。イラク軍が解放した地区の住民を避難させていたのだ。

 ISは2014年6月、モスルを武力制圧。昨年10月にイラク軍などによる解放作戦が始まると、住民に居住地から出ることを禁じ、「人間の盾」にして抵抗を続けている。

 旧市街に閉じ込められてきたマーンさん(34)は、妻(22)と半月前に生まれたばかりの長女カマルちゃんと共に救出された。妻の陣痛が始まった時は、迫撃砲弾や銃弾が飛び交い、爆弾や地雷の爆発が続く中、助産師のもとへ妻を連れて行った。

 長引く戦闘で水や食料が尽きて、空腹にも苦しんだ。マーンさんは「今はとにかく休みたい」とやつれた様子だった。

 救護所から旧市街を望むと、「ドーン」という爆発音とともに、黒煙が上るのが見えた。イラク軍関係者によると、ISの自動車爆弾の爆発だという。黒煙は数十分おきに上がり、激しい抵抗がうかがえた。イラク軍が解放したと判断した場所でも、不意を突いてISの襲撃が続く。IS戦闘員は自爆ベストを着用し、追い詰められると自爆するという。

2017年6月25日15時04分    朝日新聞デジタル