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中国、北朝鮮労働者受け入れ制限 独自制裁か

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北朝鮮と国境を接する遼寧省などで出稼ぎ労働者の受け入れ制限が始まった(中朝国境、奥が中国遼寧省

 【北京=永井央紀】中国が北朝鮮からの出稼ぎ労働者の受け入れを制限していることが17日わかった。中国国内企業の一部に、当局が北朝鮮労働者の雇用を停止するよう指示した。中朝関係筋が明らかにした。北朝鮮の出稼ぎ労働者は中国に数万人いるとされ、核・ミサイル開発に向けた外貨獲得手段の一つ。雇用停止は中国による事実上の独自制裁とみられる。
 中朝関係筋によると、中国当局北朝鮮の4回目の核実験に対する国連制裁決議が採択された2016年3月から雇用停止の指示を開始。北朝鮮と国境を接する吉林省遼寧省の企業が中心で、トランプ米政権の要求を踏まえ、徐々に対象を広げているもようだ。現段階では正式な通達は出さず、口頭などでの非公式な指示にとどめている。

 中国外務省は国連安全保障理事会の決議に基づかない独自制裁に反対し続けている。今回の雇用制限は制裁と位置づけず、中国国内法に基づく措置として実施している可能性がある。ただ関係筋は、核実験やミサイル発射などの挑発行為を繰り返す北朝鮮に警告するための「事実上の独自制裁だ」と説明している。

 国連の15年の報告書によると、北朝鮮が中国やロシアなど海外に派遣している労働者は5万人以上。労働者の賃金を吸い上げる形で得る外貨は最大で年23億ドル(約2500億円)と試算している。不法入国も多く正確な人数の把握は困難で、韓国メディアには10万人以上との見方もある。

 外交筋の間では、北朝鮮労働者の雇用制限は今後の国連制裁決議に盛り込まれる選択肢の一つとみなされている。中国は北朝鮮の体制混乱につながる強い制裁に慎重な半面、緊張を一気に高める恐れがある新たな核実験を強く警戒している。米国が圧力強化を求めるなか、賃金の安い北朝鮮労働者の制限は、中国にとって国内の雇用改善につながるとの思惑から受け入れやすい面がある。

2017/6/18 2:00    日本経済新聞 電子版