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「共謀罪」法が成立 与党が参院本会議で採決強行

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参院本会議で、犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織的犯罪処罰法が可決、成立した=15日午前7時46分、岩下毅撮影

 犯罪を計画段階から処罰できるようにする「共謀罪」の趣旨を含む改正組織的犯罪処罰法が15日朝、参院本会議で成立した。自民、公明両党が参院法務委員会での審議を打ち切り、15日未明に始まった参院本会議で直接採決する「中間報告」を強行。与党や日本維新の会の賛成多数で可決した。投票総数235票のうち、賛成が165票、反対が70票だった。
 共謀罪法案は、犯罪を実行に移した段階から処罰する日本の刑事法の原則を大きく変える内容で、過去3回廃案になった経緯がある。政府は今回、「テロ対策」を強調し、国際組織犯罪防止条約の締結に不可欠だと説明したが、国連の特別報告者が「プライバシーや表現の自由を制約するおそれがある」と懸念を表明。民進、共産両党などが廃案を求めていた。

 中間報告は、通常の委員会採決を省く国会法が定める手続き。民進など野党4党は「強行採決以上の強行採決。審議を一方的に打ち切って本会議で採決するのは異常だ」(民進の小川敏夫参院議員会長)と猛反発し、安倍内閣不信任決議案を提出したが、15日未明の衆院本会議で否決。与党はその後の参院本会議で、共謀罪法案を可決した。

 審議時間は衆院の30時間25分に対し、参院では17時間50分。一般人が捜査対象になるかどうかや、捜査機関の判断次第で解釈が拡大される懸念など、多くの疑問や対立点が解消されていなかった。

 参院本会議での改正組織的犯罪処罰法の採決、成立後、自民党松山政司参院国会対策委員長は、18日までの通常国会の会期を延長しない考えを記者団に述べた。(南彰)

2017年6月15日08時22分    朝日新聞デジタル

 

 

 テロ準備罪法が成立…自・公・維などの賛成多数

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改正組織犯罪処罰法が可決、成立し一礼する金田法相(15日午前、参院本会議)

 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法が、15日朝の参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。民進、共産両党などは廃案を求めて強く反発し、内閣不信任決議案を衆院に出すなど抵抗したが、与党側は参院法務委員会での採決を省略する異例の手続きで押し切った。

 テロ集団や暴力団など、犯罪を目的とする「組織的犯罪集団」が処罰の対象。殺人など重大な犯罪のためにメンバーが現場の下見や資金調達の準備に取りかかった段階で処罰する。

 政府は187カ国・地域が結んでいる国際組織犯罪防止条約に入るために同法の成立が必要だと説明してきた。法整備と条約締結で、2020年の東京五輪パラリンピックに向けたテロ対策を強化できると強調している。

 民進、共産両党などは、捜査機関の恣意的な捜査で冤罪(えんざい)が起こる可能性を拭えないなどとして反対した。

2017/6/15 7:48    日経新聞

 

 

野党「充実審議」へ課題残す 「共謀罪」法成立

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改正組織犯罪処罰法を可決した参院本会議(15日午前)

 与野党の一昼夜にわたる攻防を経て、犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法が15日朝、参院本会議で成立した。与党は参院法務委員会の採決を省略する「中間報告」という「奇策」を繰り出し、強硬に幕引きした。一方で野党も質疑機会を自ら手放した面があり、与野党双方に「充実審議」への課題を残した。
 与野党対立が一気に激しさを増したのは14日昼だった。参院本会議の休憩中、自民党松山政司参院国会対策委員長が、民進党榛葉賀津也参院国対委員長に「中間報告にて本日の本会議で採決したい」と伝達。突如示された強硬策に、榛葉氏は「参院の自殺行為だ」と声を荒らげた。

 中間報告は各委員会で野党所属の委員長が採決に応じない場合、法案を成立させる「非常手段」として用いるのが一般的だ。委員長が与党所属の場合は職権で採決に持ち込めるためだ。与党・公明党の秋野公造氏が参院法務委員長でありながら、中間報告で採決に持ち込むのは極めて異例の対応と言える。

 その背景には、23日告示―7月2日の投開票の東京都議選が間近に迫ったことがある。政府は15日にも学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設を巡る文書の追加調査結果を出す。首相周辺には野党に追及機会を与える国会を早く閉じ、都議選や政権基盤への悪影響を抑えたいとの意向があった。

 自党の委員長が強行採決する形をとるのに抵抗がある公明党への配慮もあった。与野党が激しく対立する法案では、委員会での採決も混乱する可能性が高い。中間報告で委員会採決そのものを省略すれば、その場面を避けられる。

 しかし委員会の審議充実の観点からは問題点も残った。13日の法務委は、日本維新の会共産党、少数会派の質疑時間を終えない状態で、野党による金田勝年法相の問責決議案提出で散会。中間報告で委員会での審議は打ち切られたため、これらの機会は奪われたままになった。

 一方で民進党など野党の対応も審議充実という観点からは疑問が残る。衆院法務委では5月2日、同日の審議を職権で決めた鈴木淳司委員長(自民党)の解任決議案を衆院に提出。その日の法務委を流会させた。審議時間を積み増すのを阻んで採決を遅らせる狙いとはいえ、十分な審議時間の確保を訴えてきた立場とは矛盾する。

 採決に際し「審議時間も十分積み上げてきた」と強調した与党と「審議が尽くされていない」と反発した野党。双方とも日程を意識するあまり、審議に真剣に臨む姿勢がおろそかになっていなかったか。今回の法改正を巡る一連の審議は、国会のあり方を問い直すことにもなった。(宮坂正太郎)

2017/6/15 8:07    日本経済新聞 電子版