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市場 豊洲移転で調整 小池知事指示、築地も活用

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 東京都の築地市場豊洲移転問題で、小池百合子都知事が豊洲移転を前提に調整するよう都庁幹部に指示したことが12日分かった。豊洲に移転しつつ、「築地ブランド」を生かすため、築地も売却はせずに何らかの形で活用する案の検討を求めている。23日の都議選告示前にも小池知事が表明する見通しで、停滞していた都政最大の課題が動き出すことになる。
 複数の関係者が明らかにした。豊洲は閉鎖型の施設で衛生管理に優れる一方、管理費がかさみ、運営は赤字を想定している。この穴埋めのためにも築地は売却せず、民間ノウハウを生かすなどして利用し、定期借地などで中長期的な収益確保策を練る。五輪主要道路として築地に通す予定の環状2号も早期に整備できるよう調整する。

 豊洲で懸念される土壌汚染に関しては、土壌汚染対策を検討する「専門家会議」が11日、費用40億~95億円、工期8~22カ月をかけて地下空間にシートを敷くなどの追加の安全対策をまとめた。小池知事は追加対策を着実に実施することで、安全面での理解を得たい考えとみられる。

 一方、知事特命の「市場問題プロジェクトチーム」は13日に築地建て替えを軸とする報告書を知事に提出する。再整備は工費878億~1388億円、工期は7~15年程度としているが、営業しながらの工事は過去に頓挫した経緯がある。知事に近い複数の関係者は12日「単独での築地再整備はもうない」と述べた。

 外部有識者による議論がまとまったのを受け、小池知事は週内にも庁内検討組織「市場のあり方戦略本部」を開いて、大詰めの調整を進める。

 豊洲問題は昨年8月、小池知事が必要な環境調査が終わっていないとして移転延期を表明した。その後、土壌対策の盛り土が実施されていない問題などが判明。都のずさんな政策決定過程が浮き彫りになる一方、移転が遅れることで市場業者らへの補償費が膨らむなどのマイナス面も指摘されていた。

 市場問題は都議選の大きな争点になるとされてきた。日本経済新聞の5月下旬の世論調査では豊洲市場に「移転させるべきだ」が50%、「移転させるべきでない」が37%。豊洲移転を前提に築地も活用する案は豊洲派、築地派の双方に訴えられるとの見方がある。

 小池知事率いる地域政党都民ファーストの会」と選挙協力する公明党豊洲移転を掲げ、小池知事に早期の決断を求めている。小池知事と対立する自民党豊洲移転を主張、小池知事を「決断できない」と批判しており、豊洲移転を前提にすれば、こうした批判を封じることにもなる。

2017/6/13 1:38    日本経済新聞 電子版