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ごみ収集車でひな3羽誕生、ただいま子育て中 京都

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車前面の隙間から見えるキセキレイのひな=山科区

 京都市でごみを集めるごみ収集車のエンジンルームに、キセキレイが巣を作り、ひな3羽が生まれた。親鳥はバンパーの隙間からえさを運び、懸命に子育て中。収集車を管理する運送会社の関係者らも、その様子をそっと見守っている。
 キセキレイが巣を作ったのは、山科区の運送会社「関厚(かんこう)運輸」が所有する収集車。5月15日の朝、区内の駐車場に止めてあった予備車のエンジンオイルを点検しようと社員の谷口研さん(37)がエンジンルームを開けたところ、バンパーのすぐ手前にあるラジエーターファンの上に直径約15センチの鳥の巣を見つけた。巣の上には小さな卵が四つあった。この予備車を最後に使ったのはその約1週間前。その短い期間で親鳥が巣を作り、卵を産んだとみられる。

 

 以来、予備車の使用は見送り、谷口さんを含めた約20人の社員は、時間を見つけては巣の様子を見に行くようになった。

 孵化(ふか)が確認できたのは29日の朝だった。四つの卵のうち三つがかえっていた。もう一つは残念ながら、かえらなかった。ひなたちはオレンジ色の口を大きく開け、親鳥が運んでくれるえさを待つ。

 京都市動物園によると、キセキレイはスズメ目セキレイ科で、成鳥は全長20センチほど。九州以北に生息する。頭から背中にかけては灰色で、腹や尾の一部が黄色いのが特徴。孵化して巣立つまで約2週間かかるという。

 同園職員で獣医師の岡橋要(かなめ)さん(49)によると、カラスや蛇などの天敵から身を守るため、民家近くの目立たない場所に営巣する小鳥は多いという。岡橋さんも過去に車のエンジンルームで見つかったひなを保護した経験があり、「長い間乗っていなかった車を運転するときは、エンジンルームの確認を」と呼びかける。

 関厚運輸の富田治人社長(42)は、巣が見つかってから毎日、成長記録として巣の写真を撮り続けている。「巣立ちまで、予備車を使うわけにはいかない。他の車の整備を怠らないよう社員に話しています」。まるでひなのお父さんのような口ぶりだ。

 間もなく、巣立ちの日がやってくる。(横山輝)

2017年6月8日21時49分    朝日新聞デジタル