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IS、金貨を独自発行 「国家樹立の象徴」、使用を強制

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イスラム国(IS)が通貨として鋳造した1ディナール金貨。コイン上に「イスラム国」。中央に「21カラット 1ディナール 4.25グラム」、下に「カリフの統治は預言者の道」などと記載されている。解放に向けた奪還作戦が最終局面を迎えているモスル市内の貴金属店で見せてもらった=5月31日、イラク・モスル、仙波理撮影

 過激派組織「イスラム国」(IS)が国家樹立の象徴にしようと発行した独自の金貨が、イラク北部モスルで見つかった。支配地域の住民に使用を強制していたという。ISが支配地域に建設しようとした「カリフ制国家」の姿が、少しずつ明らかになってきた。

 ISが発行した「1ディナール金貨」は、イラク政府軍が1月にIS支配から解放したモスル東部の貴金属商フサム・バデル・ユニスさん(48)が保管していた。昨年6月ごろ、トラックの運転手が持ち込んだという。

 直径約2センチ、厚さ1ミリ。片面には、麦の絵柄とともに「イスラム暦1436年」と製造年が刻印されている。反対側には「イスラム国 カリフの統治は預言者の道」の飾り文字のほか、「21カラット 1ディナール 4・25グラム」としるされている。

 フサムさんは重さや品質を調べ、20万イラクディナール(約1万7千円)と評価して運転手から買い取った。「鋳造の質は悪くない。シリアでつくられたものだろう」

 ISは支配地域の住民に対し、石油取引の際の対価支払いにこの独自硬貨を使用するよう強制したという。既存通貨に取って代わることはなかったが、1ディナールや5ディナール、10ディナールの金貨は少しずつ流通していったという。

 ISは2014年6月に武力制圧したモスルを拠点に、カリフ制の復活と「イスラム国家樹立」を宣言。同年11月に独自金貨のほか、銀貨や銅貨の発行を発表した。15年に公表した動画では、金本位制を廃止した米ドルを「無価値の紙切れ」と批判し、「腐敗した金融システム」からの脱却を主張した。(モスル=渡辺淳基、小森保良)

2017年6月1日19時39分    朝日新聞デジタル