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ドラマでおなじみ「ウソ発見器」新潟の企業開発

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現在も心理学の研究で使われているポリグラフ新潟市秋葉区の竹井機器工業で)

 「ウソから出たマコト」「ウソも方便」――。

 ウソに関わる言い回しはたくさんあるが、ウソを見分けるのに有効と言われているのがポリグラフだ。国内でいち早くポリグラフを開発した企業が新潟県内にあると聞き、開発の経緯に迫った。

 新潟市秋葉区の心理学実験機器メーカー「竹井機器工業」だ。福島県出身の竹井七郎氏(故人)が1927年、前身の「竹井製作所」を東京都品川区に創業したのが始まり。戦中の強制疎開で新潟に移転し、52年に現在の社名に改名した。昭和30年代以降に全国の警察に導入されたポリグラフの製造に早い時期から取り組み、1950年前後に完成した。

 元々、犯罪捜査のために作ったわけではなく、竹井氏が知人の心理学の研究者から依頼されて開発したものだった。国内には当時、心理学実験機器メーカーは少なく、研究者は実験がうまく進まずに苦労していた。心理学の研究では心の変化が生理反応に現れることに着目し、脈拍や呼吸などを記録する装置が求められていた。一方で意図的にコントロールできないポリグラフ検査を利用し、犯罪捜査でウソを見破ろうとするのは時代の流れでもあった。

 同社のポリグラフは指に流した電流を調べる機能が搭載された。人は動揺すると汗をかくが、発汗により指先の電気抵抗に違いが生じる。その違いから被験者の動揺を探ることができる。アナログ式で、ドラマなどでおなじみの反応を感知するとペンが触れて紙に記録していく仕組みだった。

 被験者に必ずしも反応が出るわけではなく、ポリグラフの検査結果は決定的な証拠にはならない。捜査幹部は「検査を求めると自供することもあり、取り調べでの武器の一つ」と話す。

 全国の多くの警察に配備されたが、デジタル化が進み、他のメーカーが参入してきたことで、十数年前に販売を中止。現在は研究者用に細々と製造している。

 同社では心理学の研究から派生し、信号機に対するアクセルやブレーキの反応などを計る運転適性検査器も製造し、多くの運転免許センターで採用されている。橋村勝取締役は「大学の研究は新製品の芽を持っている。今後も付き合いを大事にしたい」と話している。(鳥塚新)

 ◆ポリグラフ=主に警察捜査で容疑者らの供述の真偽を見分けるための装置。いわゆる「ウソ発見器」。現場遺留物など犯人しか答えを知ることが出来ない質問をし、脈拍や発汗の変化から、検査を受ける被験者の動揺を探る。警察庁によると、全国の警察で約100のポリグラフを配置しており、昨年1年間の全国での検査数は5161件。

2017年05月31日 10時12分    Copyright © The Yomiuri Shimbun