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米国際線、全便でPC・電子機器持ち込み禁止も

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 【ニューヨーク=平野麻理子】ケリー米国土安全保障長官は28日、米国発着の全ての国際線でノートパソコンや電子書籍リーダーの持ち込みを禁止する可能性があると明らかにした。米英は、すでに中東と北アフリカの一部空港の便でノートパソコンなどの持ち込みを禁止。国際線の全便に規制を広げれば、影響は世界的に広がりそうだ。
 ケリー氏は28日出演した米FOXテレビで「航空への脅威が高まっている」とし、米国を発着する全便に規制を拡大する「可能性がある」と述べた。さらに「テロリストは米国人でほぼ埋め尽くされた米国の航空会社の飛行機をたたきつぶすことで頭がいっぱいだ」とも語った。

 トランプ政権は3月に、中東と北アフリカの8カ国10空港から米国への直行便で、ノート型パソコンやタブレットといった携帯電話より大きい電子機器の機内持ち込みを禁じた。国籍や米市民権の有無を問わずに、該当する航空便を利用する乗客は規制対象の電子機器を原則として事前に預けなくてはならない。

 規制の背景には、過激派組織「イスラム国」(IS)などのテロリスト集団が、小型の電子機器に爆弾を仕込む技術を備えつつあるとの見方がある。英国も同様の規制を導入し、米英の情報当局は具体的な開発状況を把握しているとみられる。

 規制が強化された場合に大きな影響を受けそうなのが、ビジネス客と航空会社だ。機内でパソコンの作業ができなくなるのに加え、業務上の重要情報が詰まったパソコンを預け入れるリスクを懸念する声もある。

 ビジネス客は出張を減らし、テレビ電話を使った会議などを増やすとみられ、航空会社にも大きな打撃となる。国際航空運送協会(IATA)は規制が欧州発の便全体に広がっただけでも乗客の生産性が低下し、合計で10億ドル(約1100億円)の追加的なコストが生じるとの試算を発表し、猛反発している。

 日本人は、中東や北アフリカの対象となる空港から米国に入国しない限り影響はなかった。これから「日本発米国行き」「米国発日本行き」の便も対象になれば、多くの日本のビジネス客や航空会社も規制に対応する必要が出てくる。

 国土交通省の航空局関係者は「現時点で米国の具体的な方針が分からない。他国の動向も見極めながら日本政府の対応を決める」という。懸念されるのは、規制の対象がノートパソコンだけでなく、タブレット端末といった幅広い電子機器に広がることだ。国交省は米国の具体策や実施時期を注視する。

 米国がノートパソコンだけを規制対象にしても、日本のビジネス客や観光客に影響が及ぶことは避けられない。「米国の空港では検査が厳しくなりそうだが、どのように保安管理するかを含め詳細な内容が見えないと動きにくい」との声が聞こえる。対象が広がれば、日米間で航空交渉を開く可能性があるという。

2017/5/29 20:16    日経新聞