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最近とれる「謎」のフグ、雑種だった 温暖化が影響?

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ショウサイフグ(上)、雑種のフグ(中)、ゴマフグ(下)=水産大学校高橋洋准教授提供

 太平洋側で5年前から大量にとれるようになった「謎」のフグを調べたところ、主に日本海沖に生息するゴマフグと、日本沿岸に分布するショウサイフグの雑種だったことが、水産大学校山口県)の高橋洋准教授らの研究でわかった。地球温暖化の影響で海水温が上がり、生態系が変わった可能性があるという。
 2012年に茨城県から「見慣れないフグが大量にいる」と情報が寄せられ、茨城、福島、岩手県の太平洋側でとれた約250匹の遺伝子を調べた。

 その結果、見た目では種が不明の187匹のうち149匹がゴマフグとショウサイフグの雑種と判明。このフグ2種は雑種をつくるが、自然界では1%以下とされてきた。

 高橋さんは、日本海側のゴマフグが温暖化の影響で分布域を北に広げ、津軽海峡を通って太平洋側に大量に移動し、雑種が増えた可能性がある、と指摘する。気象庁によると、日本近海は過去約100年間で海面水温(年平均値)が1・09度高くなり、特に日本海は冬季に2・30度高くなった。

 温暖化がさらに進めば、様々な種のフグの生息域が重なり、交雑が進みやすくなる可能性もある。フグの雑種は毒の部位がはっきりせず、食べると危険だが、経験豊富な漁師らの「目利き」に頼って個体自体を取り除いている。そこで、フグの雑種を科学的に見分けるシステムを作り、食の安全を担保しようと、水産大学校山口県下関市などが共同研究を進めている。

 対象は、トラフグなど日本やその周辺でとれる食用の10種。DNA型の解析をして、雑種と確認されたフグの見た目(色や模様、ひれの形)と皮の質感、とれた場所などをデータベースに登録する。スマートフォンなどで撮影した写真を送れば、雑種かどうかを判定できるシステムにしたい考えだ。19年度には実証実験を始めたいという。(小堀龍之、山田菜の花)

2017年5月29日09時41分    朝日新聞デジタル