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前文科次官「総理の意向文書は存在」政府側否定

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 加計学園を巡る問題について記者会見する前川喜平・前文部科学次官(25日午後、東京都千代田区で)=若杉和希撮影

 学校法人「加計かけ学園」(岡山市)が国家戦略特区を活用して愛媛県今治市獣医学部を新設する計画をめぐり、前川喜平・前文部科学次官(62)は25日、東京都内で記者会見し、早期の開学を内閣府が「総理の意向」として文科省に求めたとされる文書について、「確実に存在していた」と語った。

 文書の存在を否定してきた政府側との食い違いが波紋を広げる可能性もある。

 加計学園の理事長は安倍首相の長年の友人のため、野党は「利益誘導が行われた可能性がある」などと批判している。

 前川氏は記者会見で、昨年9~10月に獣医学部新設を担当する同省の専門教育課から次官室で報告を受けた際、文書を受け取ったと説明。「あったものをなかったことにはできない」と語り、文科省作成の文書だと主張した。
2017年05月25日 21時53分    Copyright © The Yomiuri Shimbun

 

加計学園文書「確実に存在」 前文科次官が会見

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加計学園問題に関して記者会見する前川・前文部科学次官(25日午後、東京・霞が関
 学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、文部科学省内閣府から「総理のご意向」と伝えられたとする文書について、今年1月に辞任した前川喜平前文科次官(62)が25日、東京都内で記者会見し「確実に存在した」と証言した。獣医学部新設については「極めて薄弱な根拠の中で規制緩和が行われ、公正、公平であるべき行政の在り方がゆがめられた」と批判した。

 一方、菅義偉官房長官は25日の記者会見で、文書について「文科相のもとで調査した。その結果、確認できなかったからないということだ。それに尽きる」と述べ、存在を改めて否定した。前川氏については「文科省天下り問題で、当時は責任者として自ら辞める意向を全く示さず、地位に連綿としがみついていた」と批判した。

 安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計学園は、政府の国家戦略特区に指定された愛媛県今治市で岡山理科大獣医学部新設を計画している。前川氏が存在を証言した文書は民進党が国会で示したA4判の計8枚。文科省が最短のスケジュールで獣医学部新設を実現するよう、内閣府から「官邸の最高レベルが言っていること」「総理のご意向だ」などと伝えられたと記されている。

 前川氏は文書について、昨年9~10月に専門教育課の職員から説明を受けた際に示されたとして「幹部の間で共有されたもの」と明言した。「官邸の最高レベル」と書かれた文書については「文科相まで上げて対応を求められるきっかけになった。文科省として苦慮し、文科相からも懸念が示された」と主張した。

 文科省は19日に「文書の存在は確認できなかった」との調査結果を発表している。

前川氏は同省の立場について「あるものをないと言わざるを得ない、できないことをできると言わざるを得ない状況に追い込まれている」と話した。

 獣医学部新設を巡る内閣府などとのやりとりについては「将来の人材需要への明確な根拠が示されなかった。極めて薄弱な根拠のもとで規制緩和が行われた。公平・公正であるべき行政がゆがめられた」と強調した。

 「特区での議論は加計学園ありきでは」との問いには「関係者の暗黙の共通理解としてあった」と指摘。「疑問を感じながら仕事をしていた。まっとうな行政に戻すことができなかった。押し切られてしまった責任は大きい」と語り、国会での証人喚問を求められれば応じる意向を示した。

 前川氏は昨年6月、次官に就任したが、組織的な天下りあっせんに関与したとして今年1月に引責辞任した。

2017/5/25 19:33    日経新聞

 

 

「総理の意向」文書、担当課が提示 前文科次官が証言

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取材に答える前川喜平・前文部科学事務次官=23日、東京都内

 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」が国家戦略特区に獣医学部を新設する計画について、今年1月まで文部科学事務次官だった前川喜平氏(62)が23日、東京都内で朝日新聞の取材に応じた。内閣府から文科省に「総理のご意向」などと伝えられたと記された文書について、前川氏は自らが担当課から説明を受けた際に示されたと証言。獣医学部の新設については、加計学園を前提に検討が進んだとして、「行政がゆがめられた」と語った。
 前川氏が証言した文書は民進党が国会で示し、文科省に調査を求めたA4判の8枚。この中には、文科省が最短のスケジュールで獣医学部新設を実現するよう、内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」などと言われたと記された部分がある。朝日新聞も同じ文書を入手している。

 前川氏はこの文書について「獣医学部の新設について、自分が昨年秋に、担当の専門教育課から説明を受けた際、示された」と証言した。同氏によると、昨年9月9日~10月31日に計6回、専門教育課の課長や課長補佐らと事務次官室で獣医学部の新設について打ち合わせをした。9月28日の打ち合わせでは、「『獣医学部新設に係る内閣府からの伝達事項』との文書を示されたと記憶している」という。

 また「総理のご意向」「官邸の最高レベル」などの文言について「誰だって気にする。(文科省側が)圧力を感じなかったといえば、うそになる」と述べた。

 獣医学部の新設予定地の愛媛県今治市や同県は加計学園とともに、小泉政権が始めた「構造改革特区」での獣医学部新設を15回提案したが、文科省がすべて却下。安倍政権が設けた国家戦略特区で、2015年に県と市が獣医学部新設を提案した。

 獣医学部新設を認める際は、獣医師の需要見通しなどを検討することが前提となる。しかし今回は、需給をつかさどる農林水産省や公衆衛生を担当する厚生労働省から、獣医師が足りないとの需給見通しや、新分野での必要な人材ニーズなどが示されない中で、内閣府から新設を認めるよう求められていたとして、「内閣府の言い分は『トップダウンで決めるから文科省は心配するな』ということだと受け止めた」と振り返った。

 さらに「踏むべきステップを踏めず、筋を通せなかった。『こんなことは認められない』と私が内閣府に対して強く主張して筋を通すべきだった。反省している」と語った。

 一方、8枚の文書について、菅義偉官房長官は17日の記者会見で「怪文書みたいな文書じゃないか」と述べ、松野博一文科相も19日、「該当する文書の存在は確認できなかった」とする調査結果を発表した。前川氏は「あるものが、ないことにされてはならないと思った」と語った。

 朝日新聞は24日、文科省に対し、文書について①専門教育課が当時の事務次官への説明で示したのか②同課で作成したのか――などについて書面で質問したが、同省は「行政内部のことで、回答すべきものではないので、お答えできません」と書面で答えた。

 前川氏は事務次官だった今年1月、文科省の違法な「天下り」問題に自ら関与していたとして減給処分を受け、引責辞任した。

     ◇

加計学園獣医学部新設計画〉 地域限定で規制緩和を認める「国家戦略特区」の事業として、学校法人「加計学園」が運営する岡山理科大獣医学部愛媛県今治市につくることが今年1月に認められた。予定通り来年4月に開学すれば、1966年の北里大以来、52年ぶりの獣医学部の新設になる。今治市は16・8ヘクタールの土地を建設用地として無償譲渡したほか、愛媛県今治市で96億円の建設費を補助する予定。獣医師養成向けの入学定員は160人で、国内では最大規模。現在、文部科学省が設置を認可するか審査中。学園理事長の加計孝太郎氏が安倍晋三首相の長年の友人で、異例のスピードで特区での新設が認められたことなどから、野党が「特別な便宜が図られたのではないか」と追及している。

2017年5月25日05時02分    朝日新聞デジタル