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新江ノ島水族館、イルカ誕生…JAZA退会後初

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母のシリアスと泳ぐバンドウイルカの赤ちゃん(新江ノ島水族館提供)

 新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市片瀬海岸)で、バンドウイルカの赤ちゃんが生まれた。

 同水族館が3月末、和歌山県太地たいじ町の追い込み漁で捕獲されたイルカの入手を禁じた日本動物園水族館協会(JAZA)を退会後、初の繁殖成功例となった。同水族館は退会について「将来的に外部からイルカを購入する選択肢も残したい」と説明しており、当面は自然繁殖に力を入れながら、人工授精の可能性も探っていく考えだ。

 新たに生まれたのは、飼育歴20年の母「シリアス」と、水族館に来た野生個体の孫にあたり、国内初の“飼育下3世”として知られる父「パル」との子。体長は約1メートル30、体重は30キロで、父母と一緒にプールを泳ぐ姿が来館した親子連れらの人気を集めている。

 飼育員らが授乳や排便などの状況を細かくチェックしており、海獣類チームリーダーの奥山康治さん(50)は「しっかり成長させて次の世代へと命をつなげたい」と期待を寄せる。

 前身の「江の島水族館」時代も含めると、新江ノ島水族館のイルカ繁殖は100例を超え、国内有数の実績を誇る。2012年には、世界初という飼育下5世も誕生した。今回の赤ちゃんは、10頭いるバンドウイルカのうち4頭目の飼育下4世となる。

 同じく飼育下4世で、大分県津久見市の「つくみイルカ島」に貸し出しているオスの「アテネ」にも14日、同島のメスとの間に赤ちゃんが生まれたばかりだ。

 ただ、新江ノ島水族館が今後も繁殖でイルカの数を維持していくには、〈1〉繁殖用プールが一つしかない〈2〉1館だけでは親子やきょうだいばかりとなり、繁殖が困難になる――といった課題が残っている。

 そのため、同水族館は「追い込み漁は国が認める合法的なもの」としてJAZAを退会し、館内のイルカが大きく減少した場合には太地町から購入できる選択肢も残した。一方で、同町からイルカを購入したのは1998年が最後で、現在も予定はないという。

 今後の繁殖について、奥山さんは「他の水族館とのイルカのやり取りなどについて全国規模で協力を深める必要がある」とする。同水族館が注目しているのが、イルカ自体を移動しないで行える人工授精。奥山さんは「将来的な実施も検討したい」と話している。 (福浦則和)

2017年05月23日 07時38分    Copyright © The Yomiuri Shimbun