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イラン大統領選、穏健派ロウハニ師が再選 対外融和維持へ

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20日、テヘランで、イラン大統領選で再選後に演説するロウハニ大統領のテレビ画面=共同

 【テヘラン=岐部秀光】イラン内務省は20日、19日投票の大統領選の開票の結果、現職の穏健派ハッサン・ロウハニ師(68)が過半数の票を得て再選したと発表した。保守強硬派はエブラヒム・ライシ前検事総長(56)に候補を一本化したが届かなかった。2015年の核合意を主導したロウハニ師は対外融和路線を維持、外資誘致による経済再建に取り組む。
 国営テレビを通じた発表によると、開票はほぼ終え、ロウハニ師が全体の約57%に当たる約2354万票を獲得。約38%のライシ師を大きく引き離した。投票率は70%を超えたもよう。ロウハニ師は勝利後のテレビ演説で「国民は国家の団結を示した」「イランは全世界の国々と相互利益に基づいて発展する準備ができている」と表明した。

 ロウハニ師とライシ師の事実上2人の争いとなった選挙は事前に接戦も伝えられたが、ロウハニ師は都市部に加え、地方でも改革を求める若年層らの票を取り込み、差を広げた。有権者は、強硬派政権の誕生で米国との緊張が高まったり国際的な孤立が深まったりして経済が混乱することを懸念したとみられる。

 ロウハニ師は欧米などと結んだ核合意で、外国企業の投資が増えつつあると成果を強調した。一方、反米を掲げるライシ師は核合意で譲歩しすぎたと不満を表明。海外企業に頼らない経済の構築を掲げて貧困層への現金支給拡大などを訴えたが、アハマディネジャド前政権時代のばらまきで混乱を味わった国民の多くは受け入れなかった。

 米国は人権やテロ支援の問題を理由に核関連とは別の対イラン制裁を維持。外資が進出をためらう原因となっている。イラン敵視を公言するトランプ米政権下でこうした制裁の緩和は容易ではない。早期に成果が上がらなければ、強硬派がロウハニ師への批判を一段と強めるのは確実だ。

 イラン大統領選は18歳以上の国民の直接投票。任期4年で連続3選は禁止されている。

 安倍晋三首相は20日、ロウハニ師への祝辞で「大統領選での勝利は国際協調路線への信任だ」と強調し「今後も中東の平和と繁栄に向けて建設的に役割を果たすことを期待する」と呼びかけた。

2017/5/21 0:57    日経新聞