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日本産のサザエ、実は学名なし…事実上の新種

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新たに学名がついたサザエ(左)とナンカイサザエ(岡山市の岡山大で)

 食用として親しまれている日本の貝類・サザエに学名が付けられておらず、事実上の新種だとわかったと、岡山大の福田宏准教授(貝類分類学)が発表した。

 長らく他種と混同されてきたという。「トゥルボ・サザエ・フクダ2017」と改めて学名が付けられ、軟体動物学の専門誌(電子版)に掲載された。

 福田准教授によると、サザエには、英国の博物学者が1786年に「トゥルボ・コーヌトゥス・ライトフット1786」と学名を付けている。しかし、福田准教授が昨年、当時の文献を調べ直すと、これは、日本産のサザエとは別種で、中国南部に分布する「ナンカイサザエ」という種を指していることが判明した。

 日本産と中国産は分布域が異なり、とげがある個体を比べると、日本産の方が長くて間隔が広いなどの特徴がある。ところが、英国の貝類学者が1848年、日本産を文献で図解した際、混同して「トゥルボ・コーヌトゥス」と中国産の学名を表記。以後約170年間、日本産は中国産に付けられた学名で呼ばれてきたという。
2017年05月24日 07時54分    Copyright © The Yomiuri Shimbun

 

サザエ 学名なく「新種」 岡山大准教授

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新種と判明した日本産のサザエ=岡山大・福田宏准教授提供

 食卓でもおなじみの日本のサザエに学名がなく事実上の新種だったと、岡山大の福田宏准教授(貝類分類学)が19日、発表した。約170年間も別種のサザエと混同され続け、現在まで学名がついていないことがわかったという。今回初めて「トゥルボ・サザエ」という学名を福田准教授が付け、日豪共同発行の専門誌(電子版)に掲載された。

 福田准教授によると、日本のサザエと考えられていたのは中国産のナンカイサザエ。1848年に日本産を調べた英国の貝類学者リーブが誤って混同したとみられるという。中国産は日本産よりもトゲの長さが短く、間隔も狭いなど明らかな違いがあるが、リーブは誤って同種と思い込み、その後の研究者にも影響を与えたという。

 日本産にはトゲのあるものとないものがあり同種だ。リーブはトゲのないサザエを新種と考え「日本産」を意味する「トゥルボ・ヤポニクス」という学名をつけた。もしこの命名が有効なら、日本産は新種にならなかった。しかしリーブはこれもよく似たモーリシャス産の別種と混同。この学名はモーリシャス産についているため、日本産には適用されないという。

 日本人の研究グループが1995年に中国産を「新種」のナンカイサザエと命名。その後、福田准教授が学名の原典や図などの資料を調べ直した結果、そもそも日本産に学名がついていないことが判明した。学名がなければ種とは認められず、今回、新種と認定されたという。福田准教授は「サザエのような身近な種の同定が間違っていたことは驚きだ。『よく知られた種だから学名がないはずがない』という研究者の思い込みがあった」と話している。【酒造唯】

毎日新聞    5/19(金) 19:45