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砂を液状に…カヌーもこげちゃう? 流動床、応用に期待

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液体のように動く砂の上でカヌーを疑似体験する的場やすしさん=行田市前谷

 砂を液状にするという、ものつくり大学(埼玉県行田市)非常勤講師の的場やすしさん(53)と、同大教授の菅谷諭さん(56)の研究が関心を集めている。砂の中に空気を送り込み、液体のような状態にする「流動床(りゅうどうしょう)」と呼ばれるもので、アトラクションやトレーニング分野への応用が期待されている。

 流動床は、砂を入れた容器の底から空気を送る。砂にかかる重力と空気で浮かせる力が釣り合ったときに液体のような状態になる。

 研究室では、縦1・7メートル、横1・1メートル、高さ60センチの大型水槽に1トンの砂を入れて送風。手をいれれば水の中と同じような感触に変わり、底に沈めたボールも浮かび出る状態になった。川下りの映像を見る「ヘッド・マウント・ディスプレー」を頭部に装着し、船に見立てた小さな水槽も浮かびあがり、カヌーの疑似体験もできた。

 3月、明治大学で開かれた情報処理学会シンポジウムで発表。優秀な研究を表彰する「インタラクティブ発表賞」を受賞した。その後、投稿動画サイト「ユーチューブ」に、流動床を投稿したところ、再生回数は1万回を超えた。

 的場さんも、研究の着想は動画から得た。一部のゴミ焼却炉では高温の流動砂の中で処理物を効率よく燃焼させている。焼却炉で動く砂の様子を動画サイトで見て、「アトラクションにも使えるかも」と考えた。

 砂は、水と違って腐らない。そのため保守管理がしやすく、水を消費しなくて済むので環境にも優しい。

 例えば、スポーツやリハビリテーションの分野で行われている水中ウォーキングに代用できるほか、アミューズメントでは地面からおばけの人形が飛び出す「お化け屋敷」や、モグラが現れる「リアルモグラたたき」、舞台演出では、プロジェクションマッピングと合わせて水面を表現することも可能だとみる。現在、流動床を利用した仮想現実体験システムの特許を出願している。

 的場さんは「2020年には東京五輪が控えている。開会式の演出に使ってもらえたら面白いのではないか」と期待する。(角拓哉)

2017年5月16日08時50分    朝日新聞デジタル