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東芝の半導体事業売却、米社が差し止め申し立て

 【ニューヨーク=有光裕】東芝が売却する半導体事業を巡り、東芝半導体を共同生産する米ウエスタン・デジタル(WD)は14日、売却の差し止めを求める申し立てを国際仲裁裁判所に行ったと発表した。

 WDは「売却手続きなどが同意を得ずに行われ、契約違反にあたる」と主張している。国際仲裁裁判所の裁定次第では、東芝の売却手続きが進まず、再建計画に影響する可能性がある。

 両社は、三重県四日市市半導体の生産工場を共同で運営している。WDのスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)は「東芝とは共同事業の利益を守るため、相手が同意していない事業移転を禁止することで合意していた。これまでの調整が不調に終わり、法的手段に訴えた」とコメントした。

 経営再建中の東芝は4月に半導体記憶媒体(メモリー)事業を分社化し、新会社「東芝メモリ」を発足させた。WDは、これについても合意に違反するとしている。

 東芝は、半導体事業の売却で必要な資金を調達する方針だ。ただ、国際仲裁裁判所の判断によっては、この計画が頓挫しかねない。

 一般的に、国際仲裁裁判所への申し立てから紛争解決までの期間は約1年半とされる。しかし、仲裁事案に詳しい弁護士によると、「事業売却の差し止め請求という緊急性を考えて、裁判所が早期に判断を下す可能性がある」という。

 WDの申し立てに対し、東芝広報・IR部は「契約に抵触するような事実はなく、差し止めの根拠はない」としている。

2017年05月15日 11時38分    Copyright © The Yomiuri Shimbun