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99か国にサイバー攻撃、英で診療や手術中止も

 【ロンドン=角谷志保美】世界各地で12日、大規模なサイバー攻撃が発生した。

 英国では公的医療制度のサーバーが被害を受け、予定されていた手術や診療が延期されるなど、大きな混乱が起きた。英BBCは、米国やロシア、スペインなど世界99か国で約7万5000件の被害が出ていると伝えた。英国政府や情報セキュリティー会社は警戒を呼びかけている。

 英国では、全国民が無料で医療を受けられる国民保健サービス(NHS)を提供する多くの病院や診療所などでサイバー攻撃によりコンピューターが使えなくなった。このため患者のデータが確認できなくなり、診療や手術が中止された。救急車による患者の搬送にも混乱が起きた。ある男性はBBCに、12日に心臓手術を予定し、朝から病院で手術を受ける準備を進めていたが、午後になって急きょ中止されたと証言した。
2017年05月13日 12時05分    Copyright © The Yomiuri Shimbun

 

大規模サイバー攻撃、99カ国で被害 身代金要求型

 【ロンドン=黄田和宏】欧米やロシアなどで12日、大規模なサイバー攻撃があり、病院など公共機関や企業のサービスが中断するなどの影響が広がった。英BBCは、サイバー防衛専門家の分析として99カ国、約7万5000件の被害が確認されたと報じた。

 一般にサイバー攻撃は日常化しており、世界全体では一日平均約100万人が被害を受けているとの調査もあるが、今回のように広い範囲で同時に被害が出るのは珍しい。生命に関わる病院が機能停止に追い込まれたという結果も深刻だ。なぜ12日に世界の多くの国で同時に被害が発生したのか、一斉攻撃を計画した者が何者なのかなどは現時点では不明だ。

 今回の攻撃の手口は「身代金要求型」と呼ばれるもの。ロシアのサイバー防衛大手カスペルスキーは、欧米ロに加え、日本、中国、ベトナム、トルコなどでも被害が生じているとしている。

 英国では12日、公共医療を提供する国民保健サービス(NHS)のシステムが停止。一部の病院では医療サービスの提供が困難となったという。米メディアによると、物流大手のフェデックスサイバー攻撃を受け復旧作業を進めていることを認めた。ロシア内務省は、同省の約1000のコンピューターが攻撃を受けたと認めた。

 これまでに判明した攻撃の手口は、何者かが標的とした相手のコンピューターをマルウエア(悪意のあるプログラム)でロックし「解除してほしければ身代金を払え」と求める「身代金要求型」と呼ばれるもの。

 BBCによると、この悪性ソフトは米情報機関の国家安全保障局(NSA)が米マイクロソフト社のシステムの弱点に目をつけて開発したものを、「シャドー・ブローカーズ」を名乗るハッカー集団が昨年ハッキングで盗み取り、ネット上で売りに出したものという。

 マイクロソフトは12日、「今回の攻撃に使われたマルウエアを検出し、攻撃から守るための追加措置を講じた」とコメントした。同社は3月にこうした攻撃への対策を講じていたが、設定を更新していなかったシステムが被害にあったとみられている。

2017/5/13 10:55   日経新聞