今日のニュース

気になったニュース

「吾輩は猫」印税997円也 漱石自筆の領収証、公開へ

f:id:obaco:20170512122905j:image

夏目漱石自筆の「吾輩は猫である」の印税領収証=天理大学付属図書館蔵

 今年生誕150年を迎えた文豪・夏目漱石自筆の「吾輩は猫である」単行本の印税領収証が14日から、東京都内で初公開される。現行の「漱石全集」(岩波書店)には未収録で、漱石自筆の印税領収証は珍しい。明治の出版や文豪の金銭事情がうかがえる。
 領収証は「猫」の版元の一つ、服部書店の主人宛てで、1907(明治40)年8月24日付。「猫」上中下の全3編、997円50銭(現在の約1千万円弱)分について、「右六千部の印税として受領致候也」とし、漱石の署名と押印がある。天理大学付属図書館が昭和40年代に入手した夏目漱石関連資料に含まれていた。

f:id:obaco:20170512123103j:image

夏目漱石

  漱石は1907年7月末、門下生の鈴木三重吉に宛てて、「昨日服部の印税未納をしらべたら八百円程ある」「服部も通知を受けて驚いたろう」と書いている。今回、漱石が催促した印税を確かに受領したことが裏付けられた。また、重版が千部単位で行われたことや、印税率が本の定価に対して平均20%弱だったこともわかった。

 ログイン前の続きこの領収証を調べた清水康次・大阪大教授(日本近代文学)は、「大学の教員を辞して本格的に作家生活に入る時期のもので、西洋の出版事情にも通じた漱石が、作品に対し正当な報酬を求めていたことがわかる」と話す。

 領収証は、東京都千代田区神田錦町の天理ギャラリーで14日から6月11日まで開かれる「漱石 生誕百五十年を記念して」展(同ギャラリー主催)で展示される。10月には奈良県天理市天理大学付属図書館でも展示される予定。(岡恵里)

 2017年5月12日11時51分    朝日新聞デジタル