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町の健康診断で「がん探知犬」検査実施へ…山形

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がん患者の尿を嗅ぎ分け、振り向いて知らせるがん探知犬(金山町提供)

 山形県金山町は、町の健康診断の受診者を対象に、「がん探知犬」を使ってがんの有無を調べる検査を実施する。

 がんが発するにおい物質の分析を進めている日本医科大千葉北総病院(千葉県)と共同で行う。同病院によると、がん患者ではない一般住民を対象とするのは初めて。町民に負担をかけずにがんの早期発見ができる可能性があるほか、実用化されれば、検診の簡易化・受診率向上につながると期待される。

 がん探知犬は、がん特有のにおいを識別できるように訓練された犬。人間の数百万倍ともいわれる嗅覚を生かし、患者の尿や呼気からがんのにおいを嗅ぎ分ける。

 国内では千葉北総病院が研究の最先端を担っており、がん探知犬と特殊装置を用いて尿からがんの有無や種類を分析する研究を進めている。がん探知犬は国内に5頭いるといい、宮下正夫教授は「早期のがんでもほぼ100%探知できる」と強調する。

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 金山町によると、同町を含む最上地域は女性の胃がんによる死亡率が全国ワースト1位。「がんをいかに早く発見・治療するかが大きな課題」(町健康福祉課)となる中、鈴木洋町長が、講演のため町を訪れていた宮下教授からがん探知犬を用いた研究の話を聞き、「町民の健康づくりと研究の実証・推進に役立てられるのではないか」と、同病院に協力を申し出た。

 3月下旬には、鈴木町長ら町関係者が、がん探知犬の訓練と育成を行っている千葉県内の施設を視察。がん探知犬が、尿の入った50本の試験管の中から、がん患者の尿が入った1本を100%の精度で嗅ぎ分ける様子を目の当たりにしたという。

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 がん探知犬による検査は、町が5月以降に実施する特定健診やがん検診、ドック検診を受ける町民のうち、検査に同意した40歳以上の約1000人を対象とする。町立金山診療所が尿を冷凍保存して同病院へ送り、検査する。結果は約3か月後に伝えられ、該当者には同診療所の医師などが相談に応じるという。

 検査は3年間実施する計画で、今年度は同病院への委託料など約1100万円を予算に計上。検査費用の個人負担はないという。

 同診療所の柴田昭英・地域医療推進員は「がんの早期発見や検査の簡易化につながる研究に協力し、町民の健康づくりや健康意識高揚につなげたい」としている。

2017年04月21日 12時59分    Copyright © The Yomiuri Shimbun