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非核兵器で最大級の破壊力…「モアブ」ってどんな爆弾?

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大規模爆風爆弾モアブとは?

 トランプ米政権は13日、アフガニスタンで、核兵器を除くと最大級の破壊力を持つとされる大規模爆風爆弾「モアブ」を使用したと発表した。実戦で使用されたのは初めて。米軍は過激派組織「イスラム国」(IS)の地下施設を破壊する目的としている。核・ミサイル開発を進める北朝鮮を牽制(けんせい)する「政治的メッセージ」との見方もある。

 米空軍によると、アフガニスタン東部ナンガルハル州で、現地時間13日午後7時半すぎ、米輸送機C130からモアブを、ISの拠点とされる地下複合施設に向けて投下したという。

 モアブは米空軍が2003年に開発、配備した。「Mother Of All Bombs(全爆弾の母)」の異名を持ち、火薬量約8・5トン、総重量約10トンで、非核兵器としては史上最大級の破壊力を持つ。

 ホワイトハウスのスパイサー報道官は会見で「IS戦闘員が自由に動き、米軍やアフガニスタン軍を標的にしやすくしているトンネルや洞窟を狙った」と述べた。現地のニコルソン米軍司令官は「ISは、劣勢となるなかでIED(即席爆発装置)や壕(ごう)、トンネルを活用して防御を強化している。これらを排除し、攻勢を維持するのに適した兵器だ」との声明を出した。

 同地域は15年5月ごろから、IS支部が拠点として支配域を拡大し、首都カブールの政府施設などに大規模な自爆攻撃を仕掛けてきた。アフガン駐留米軍は14日、カブールで会見し、ISの拠点にこれまで地上作戦などを行ったが犠牲者が出たため、モアブ投下に踏み切ったことを明かした。

 トランプ米大統領は13日、記者団に「もう一つの任務が成功した。この8週間で起きたことを見れば、(オバマ前政権の)8年間と比較し、とてつもない違いが分かるだろう」と述べ、先週のシリア攻撃に続き、ISにも断固たる措置を取る姿勢を強調した。

 アフガン国防省は14日、今回の攻撃で、IS戦闘員を少なくとも36人殺害したと発表した。空爆はアフガン軍の協力のもとで行われたとし、「IS支部の武器を大量に破壊した」と成果を強調した。アフガン大統領府も声明で「民間の犠牲を避けるために予防策が取られていた」と述べたが、犠牲者については「調査中」とした。

 ただ、アフガン国内では反発が広がっている。カルザイ前大統領は14日、自身のツイッターで「アフガンを新兵器の実験台として使う非人道的で残忍な爆撃だ」と米国を非難した。

 一方、米メディアには、トランプ氏がモアブを使用したのは、北朝鮮を念頭に置いた「政治的メッセージだ」(FOXニュース)との分析もある。北朝鮮は地下トンネル網を活用し、ノドンやスカッドなどの弾道ミサイルを搭載した移動式発射台を運用している。15日は金日成(キムイルソン)国家主席生誕105周年にあたり、北朝鮮が何らかの挑発行為を行う可能性も指摘されている。

 トランプ氏は13日、記者団から、今回の攻撃は北朝鮮へのメッセージかと聞かれると「これがどんなメッセージになるか分からない。北朝鮮は問題であり、その問題は対処されるべきだ」と述べるにとどめた。

 これに対し、北朝鮮の韓成烈(ハンソンリョル)外務次官は14日、AP通信のインタビューに「核実験はいつでも可能だ」「米国が先制攻撃をすれば対応する」などと述べ、米国が軍事力を行使すれば戦争も辞さないという姿勢を改めて明確にした。(ワシントン=佐藤武嗣、クアラルンプール=乗京真知)

2017年4月15日19時35分    朝日新聞デジタル