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アマゾンの当日配送撤退 ヤマトが方針 ネット通販転機に

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 宅配最大手のヤマト運輸は最大の取引先であるインターネット通販大手アマゾン・ドット・コムの当日配送サービスの受託から撤退する方針を固めた。夜に配達しなければならない荷物が増え、人手不足の中、従業員の負担が増しているため取引を見直す。アマゾンは日本郵便などへの委託を増やす考えだが、ヤマトの撤退でサービス縮小を余儀なくされる可能性がある。

 日本のネット通販は宅配会社のきめ細かな配送網を利用して、海外では珍しい当日配送などのサービスを提供してきた。だが、人手不足で配送網の維持が難しくなりつつある。世界でも最高水準の便利さを武器に日本市場で成長してきたネット通販は事業モデルの見直しを迫られそうだ。

 ヤマトは人手不足で配送網維持が困難と判断し、アマゾンに当日配送の受託の縮小を要請。アマゾンも一定の理解を示しており、既に一部地域の当日配送で日本郵便の利用を増やし始めた。ヤマトは当日配送の受託を徐々に減らし、将来はなくす方向だ。アマゾンの利用者の注文の多くは翌日以降の配送とみられる。

 日本郵便はヤマトに比べると、現状の配送能力には比較的、余裕があるとされる。だが、日本郵便の輸送能力はヤマトの3分の1程度であるため、アマゾンの当日配送が可能な荷物量や地域が縮小する可能性がある。

 アマゾンの当日配送は年3900円の有料会員になれば何度でも追加料金なしで利用できる。米国の年会費の半額以下の水準だ。関東や中部、関西などで利用でき、日本の人口の8割をカバーする。消費者から昼までに注文を受け付け、数時間内に商品を発送する。

 これまで大半の配送を担っていたヤマトの配送拠点には午後6~7時ごろに到着し、それから配達員が同9時までに各家庭に届ける。気軽に当日配送を利用する人も多く、夜間配達が増加。配達員の長時間労働の原因となっていた。

 ヤマトが6日発表した16年度の宅配便取扱数は前年度比8%増の約18億7000万個となり2年連続で過去最高を更新した。このうち1~2割をアマゾンの荷物が占めるとされる。

 ヤマトがアマゾンから受け取る運賃には大口割引を適用しており、採算が悪い。宅配便の平均単価は15年度に578円だったが、アマゾンはこの半分程度ともいわれる。ヤマトは当日配送の縮小だけでなく、運賃の引き上げも要求している。値上げに応じなければ取引停止も辞さない構えで、アマゾンは日本市場の戦略転換を迫られる可能性もある。

 ヤマトは3月の春季労使交渉労働組合と配達員の負担を軽減する働き方改革で合意。宅配便の総量抑制や時間帯指定サービスの一部廃止を決めた。営業終了も午後8時に1時間早めることを検討している。

2017/4/7 2:00    日本経済新聞 電子版