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飛べないコハクチョウ、4度目の春…埼玉・川島

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埼玉県川島町で4年目の春を迎えた片翼のコハクチョウ(22日午後、同町の越辺川で)=鈴木章功撮影

 白鳥飛来地として知られる埼玉県川島町の越辺おっぺ川で冬を越したコハクチョウは今月上旬、古里のシベリアに旅立った。

 ただ一羽、片翼がないコハクチョウが残り、4度目の春を迎えている。

 同町の主婦加藤浩美さん(50)らは2014年3月頃、このコハクチョウが北へ帰る直前、血だらけで飛来地に逃げ戻ってきたのを目撃した。犬などに襲われた可能性がある。ぐったりした状態で、しばらくして左翼が抜け落ちた。親鳥らしきコハクチョウが上空を旋回していたが、右翼だけのコハクチョウは飛び立てなかった。

 飛来地近くにすみついたコハクチョウは、草などを食べ、夏は木陰で暑さをしのいでいたという。秋はシベリアから戻った他のコハクチョウと仲良く泳ぐ姿も見られた。だが、冬を越すと、仲間たちはまた帰る。さいたま市南区から時々様子を見に来る須藤正男さん(69)は「一緒に飛ぼうと翼をばたつかせる姿に涙が出た」と語る。

 16年10月、片翼のコハクチョウは5キロほど下流に移動していた。加藤さんは「生き抜く姿に野生のたくましさを感じる」と話す。ただ、新たなすみかは鳥獣の狩猟区域で、コハクチョウは対象ではないが、加藤さんと須藤さんは心配している。

 県東松山環境管理事務所は「衰弱している場合を除き、自然のものは自然のままにするのが基本」とするものの、飛べないコハクチョウの様子を月1、2回、見に行っているという。

2017年03月25日 11時15分    Copyright © The Yomiuri Shimbun