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正男氏の身元「DNAで確認」 子からサンプル マレーシア副首相

国際

 【シンガポール=菊池友美】マレーシアのザヒド副首相は15日、2月にマレーシアで殺害された北朝鮮金正男キム・ジョンナム)氏の遺体の身元確認手段に、同氏の子供のDNAサンプルを使ったと明らかにした。同国政府がDNAの活用を明言したのは初めて。科学的な根拠を示すことで「遺体は別人」と主張する北朝鮮に反論する狙いとみられる。

 クアラルンプール国際空港で開いた記者会見で「正男氏の子供が提供したサンプルを使った」と明言した。マレーシア警察は今月10日に「遺体は正男氏と確認した」と発表したが、手段は公表していなかった。

 北朝鮮はマレーシア警察の確認後も「遺体は外交旅券を持つキム・チョル」との主張に固執している。マレーシアはDNA鑑定という証拠を突きつけ、北朝鮮の主張を否定した格好だ。

 正男氏は複数の子供がいるとされるが、ザヒド副首相は誰がDNAサンプルを提供したかは明言を避けた。サンプルをどこで取得したのかなども明かさなかった。

 正男氏の息子ハンソル氏を自称する男性は8日、インターネット上に流れた動画で「私の父、金正男は殺された」と述べた。その中で「母と妹と一緒にいる」とも語った。正男氏の親族は北朝鮮による攻撃を警戒して逃亡中との情報もある。

 2月13日にクアラルンプール国際空港で殺害された正男氏の捜査は行き詰まりが鮮明だ。DNA鑑定の実施を公表することで北朝鮮に捜査協力をのませる狙いとみられるが、一方的な主張を続ける北朝鮮が応じる可能性は低い。北朝鮮は在留マレーシア人9人の出国を禁止し、マレーシアに対して捜査の即時停止をなお求めているようだ。

 マレーシアは北朝鮮に対抗し、同国にいる全ての北朝鮮籍者の出国を禁止した。両国は今月13日から、双方がとった出国禁止措置の解除に向けた実務者協議を始めた。ザヒド副首相は問題の解決に向けて「全ての手段を考慮する」と述べた。

 同国内では双方の「人質」を交換することで事態打開を求める声も出ている。殺害に関与したと指摘されている北朝鮮大使館2等書記官ら2人の出国を許し、北朝鮮にいるマレーシア人の出国容認を求める案も浮上している。

2017/3/15 20:05    日経新聞