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横浜の帆船「日本丸」、国重文に指定へ

文化

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喜びを語る飯田敏夫船長と日本丸横浜市西区で)

 文化審議会の10日の答申で、神奈川県内では横浜市西区のみなとみらい地区に係留されている帆船「日本丸」が、重要文化財に指定されることが決まった。

 海上に保存されている帆船が国の重要文化財に指定されるのは初めて。「太平洋の白鳥」として親しまれ、今も教育現場で活用される同船の保存や公開に取り組んできた関係者から、喜びの声が上がった。

 日本丸は船員養成の練習船として、1930年に神戸で建造された。戦中は石炭を運ぶ輸送船として使われた。戦後間もない頃は、復員輸送や日本兵の遺骨収集にもあたった。日本丸から巣立った実習生は約1万1500人。その後、タンカーなどに乗り込み、高度成長期の海運を支えた。

 84年に引退すると、10都市が誘致に名乗りを上げた。横浜に決まった理由について、同船の飯田敏夫船長は「『生きた船』として、海洋教育に活用するという計画が決め手となった」と説明する。誘致運動には約83万人の署名も寄せられた。今も年20回ほど小学生らを対象にした半日~1泊2日の海洋教室を開いたり、年に十数回、マストからすべての帆を広げる「総帆展帆」を披露したりしている。

 昨年は山下公園横浜市中区)の「氷川丸」が同文化財に指定された。日本丸と同じ年に建造された貨客船の氷川丸は、船内装飾の工芸面などを評価されたが、日本丸は「帆船による船員教育そのものの価値が認められた」(飯田船長)という。横浜港のシンボルが重要文化財でそろい踏みし、飯田船長は氷川丸との共同PRも検討している。

 船のメンテナンスには多くのボランティアが協力しており、飯田船長は「市民の力がなければここまで来られなかった。これからも市民とともに歴史を重ねていきたい」と話した。

 答申では建造当時の造船技術を今に伝える点も評価された。原形のまま保存されている国産初期のディーゼルエンジンなどは船内で見学できる。

 今月20日に船内を無料公開する。4月16日には今年最初の総帆展帆や記念演奏会などを予定。問い合わせは横浜みなと博物館(045・221・0280)。

2017年03月11日 07時26分    Copyright © The Yomiuri Shimbun