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朴大統領の罷免を決定…韓国憲法裁、全員一致

国際

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10日、朴大統領の弾劾審判の決定を宣告する憲法裁判所の裁判官ら(AP)

 【ソウル=中島健太郎】韓国の朴槿恵パククネ大統領(65)の弾劾審判で、憲法裁判所は10日、朴氏を罷免する決定を宣告した。

 朴氏の本来の大統領任期は2018年2月までだったが、宣告終了と同時に失職した。韓国で大統領の罷免は1948年の大韓民国政府樹立以来初めて。朴氏は、友人女性の国政介入事件をめぐり、検察と特別検察官の双方から共犯と認定されており、逮捕・起訴される可能性がある。大統領選は60日以内に行われ、5月9日投開票が有力とされる。

 韓国政局の流動化は、挑発が続く北朝鮮問題など北東アジアの安全保障にも影響必至だ。日韓関係でも慰安婦問題をめぐる合意の履行などに響く可能性がある。

 憲法裁の宣告は午前11時から始まり、李貞美イジョンミ所長代行が決定文を朗読。裁判官8人(9人のうち欠員1)の全員一致の賛成で罷免した。
2017年03月10日 12時17分    Copyright © The Yomiuri Shimbun

 

朴大統領が失職 韓国憲法裁、弾劾妥当と判断
憲政史上初

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韓国の朴槿恵大統領の罷免を求める集会で、決定言い渡しの行われる憲法裁判所のテレビ中継を見る参加者ら(10日、ソウル)=共同

 【ソウル=山田健一】韓国の憲法裁判所は10日、国会が可決した朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾訴追を妥当と認定し、大統領は即時失職した。朴氏が友人に便宜を図った行為を国民主権違反と認定した。大統領の罷免は韓国の憲政史上初めて。5月に大統領選を実施し、次の大統領を決める。それまで黄教安(ファン・ギョアン)首相が大統領代行を続けるが、韓国は外交や安全保障などで課題が山積しており政情混迷が一段と深まりそうだ。
 弾劾は憲法裁判官8人の全員一致で認定した。憲法裁は本来、9人の憲法裁判官で構成されるが、1月31日に所長が任期満了で退任したため、今回は8人で判断した。6人以上の賛成で弾劾が認定される仕組みだった。

 憲法裁は、朴氏が友人の崔順実(チェ・スンシル)被告の利益のために大統領の地位と権限を乱用したと認定した。崔被告が実質支配した財団の資金集めに朴氏が協力し企業の財産権と経営の自由を侵害したほか、国家機密を含む大統領文書を流出させた行為が国家公務員法の秘密厳守違反にあたるとした。

 李貞美(イ・ジョンミ)所長代行は弾劾認定の理由について「大統領の行為は否定的な影響が重大だ。罷免することで得られる憲法守護の利益が圧倒的に大きい。大統領の違憲・違法行為は国民の信任に対する裏切りにあたる」と説明した。

 憲法裁は1月3日から2月末にかけて17回にわたる弁論を実施。弾劾訴追を巡る争点を(1)国民主権主義・法治主義違反(2)職権乱用(3)言論の自由の侵害(4)生命権保護義務違反(5)贈収賄など刑事法違反――の5点に整理した上で審理を重ねてきた。

 韓国の憲法は大統領が弾劾で罷免された場合、60日以内に大統領選を実施すると定めている。直近の世論調査では、最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表が、次期大統領を巡る支持率で他の候補を大きくリードする。

 朴氏は1970年代の高度経済成長をけん引した朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の娘。父親と同じく経済成長を公約に掲げ、腐敗が相次いだ歴代政権とは違う清廉なイメージを売りにして、2013年に初の女性大統領に就いた。

 しかし、16年に友人の崔順実(チェ・スンシル)被告に国政介入を許した疑惑が発覚。民間人に国家機密を含む大統領演説の草稿を渡したことなどが判明し、支持率は歴代最低の4%まで急落した。国会から弾劾訴追され、昨年12月9日から職務権限が停止していた。

 約3カ月に渡る職務停止中に、韓国が抱える懸案は一段と複雑化した。安保分野では北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返し、武力挑発の姿勢を強めている。

 同盟・関係国との連携が欠かせないなか、日本とは従軍慰安婦を象徴する少女像の問題で関係が再び悪化。在韓米軍のミサイル迎撃システム配備を巡り、中国とも関係が急速に冷え込んだ。トランプ米大統領との首脳会談も実現していない。

 国内では朴氏を支持する保守系団体関係者が、弾劾妥当の判断を下した判事の威嚇を予告していた。国政混乱の解消とともに、国民の分裂回避も大きな課題になる。

2017/3/10 12:27    日経新聞

 

 

朴大統領の罷免を宣告、5月にも大統領選 韓国憲法

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 韓国の憲法裁判所は10日、国会に弾劾(だんがい)訴追されていた朴槿恵(パククネ)大統領(65)について罷免(ひめん)を宣告した。朴氏が支援者のチェ・スンシル被告(60)に機密文書を流出させたことなどを違法行為と認定。「国民の信任を裏切り、憲法守護の観点から容認できない重大な法違反行為と見なければならない」と、裁判官8人の全員一致で決定した。

特集:揺れる韓国政界
 朴氏の罷免に伴って、次期大統領選は60日以内に行われる。投票日は5月9日が有力視されている。

 韓国で大統領が弾劾訴追によって罷免されるのは初めて。1987年の民主化以降、大統領が任期途中で辞任するのも初めて。憲法裁判所による罷免決定は即時、効力が発生する。大統領の権限は次の大統領が決まるまで、引き続き、黄教安(ファンギョアン)首相(59)が代行する。

 国会は昨年12月9日、朴大統領に対する弾劾訴追案を可決した。憲法裁では今年1月3日から2月27日まで計17回の弁論が開かれ、チェ被告ら25人に対する証人尋問などが行われた。

 国会側は、朴大統領が秘書官を通じて機密文書をチェ被告に流出させ、チェ被告が政策や政府高官人事に介入したと指摘。憲法で定めた国民主権法治主義に反すると訴えた。文化やスポーツに関する財団の設立・運営や中小企業への支援などについても職権乱用に当たるなどとして、罷免を要求。朴大統領側は国会側の主張を否定し、弾劾訴追の棄却を求めていた。

 韓国の調査機関「リアルメーター」が6~8日に実施した次期大統領選に関する世論調査によると、進歩(革新)系で最大野党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)前代表(64)が、支持率36・1%でトップを独走している。保守系には現時点で文氏と競い合えるだけの有力な候補はおらず、候補者調整を本格化させる。

 野党系の候補は慰安婦問題で日本側との再交渉を求めている。大統領選の結果によっては、日韓関係にも影響が及ぶ。

 一方、ソウル中央地検は、朴氏への捜査に本格的に着手する見通しだ。ソウル中央地検は文書流出などをめぐって朴氏をチェ被告や秘書官らとの「共犯」と位置づけている。韓国では憲法の規定で大統領は在職中に刑事訴追されないが、朴氏は罷免されたことから、検察は近く事情を聴取し、立件するとみられている。(ソウル=東岡徹)

     ◇

 〈朴槿恵(パククネ)大統領〉 1952年、韓国・大邱(テグ)生まれ。父は朴正熙(パクチョンヒ)元大統領。70年代に母、父が相次いで殺害される。国会議員となり、2004年にハンナラ党代表に。13年2月、韓国初の女性大統領に就任。

 〈韓国の憲法裁判所〉 9人の裁判官のうち、3人は大統領が直接指名し、任命する。残る6人のうち、3人は国会、3人は大法院長(日本の最高裁長官に相当)が選び、大統領が任命する。任期は6年。法律の違憲決定や弾劾決定、政党の解散決定には裁判官6人以上の賛成が必要になる。上訴の制度はなく、憲法裁の判断が最終決定になる。

2017年3月10日12時00分    朝日新聞デジタル