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正男氏「息子」、動画投稿の謎 実態不明の団体が支援?

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金正男氏の息子

 北朝鮮金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏が殺害された事件をめぐり、動向が注目される正男氏の息子キム・ハンソル氏を名乗る男性の動画が「ユーチューブ」で公開された。韓国政府はハンソル氏本人とみるが、公開された事情には謎が残る。
 「私の名前はキム・ハンソル北朝鮮籍で、キム一族の一人です」

 男性が英語で語る40秒の動画は自己紹介で始まり、正男氏の名前は出さないものの、「私の父は数日前に殺された」と語る。落ち着き、人なつっこい笑顔も見せ「私は今、母と妹(あるいは姉)と一緒にいる」「もうすぐ状況が良くなることを望む」と話し、動画は終わる。一部は編集され、男性が示すパスポートは黒く隠された。

 容姿は、過去にメディアが撮影したハンソル氏に似ており、韓国政府は8日、本人と確認した。同政府によれば、マカオには正男氏の2番目の妻とハンソルさんを含む1男1女が住む。動画の内容と符合する。

 動画を7日に公開したのは「チョンリマ民間防衛」という団体で、サイト上で英語と韓国語で声明を発表した。正男氏の家族に先月、緊急の保護を求められ、「家族3人」を安全のために移動させたと説明。4カ国が支援してくれたと感謝を述べた。うち名指しした3カ国はオランダ、中国、米国で、特に駐韓オランダ大使を務める人物の名を挙げた。

 ただ、移動先を明らかにせず、「今回が最初で最後の声明」とする。サイトには、脱北した北朝鮮高官が書いたとする団体の支援に感謝した手記を公開しているが、どんな団体なのか、その実態を知るのは難しい状況だ。

 マレーシア警察は正男氏の身元を確認するため、家族にDNAサンプルの提供を求めている。

 カギを握るハンソル氏は過去に北朝鮮当局を批判。ボスニア・ヘルツェゴビナやフランスに留学中にメディアの取材に応じ、正恩氏や祖父にあたる金正日(キムジョンイル)総書記を「独裁者」と呼んだ。正男氏とハンソル氏親子は、正恩氏には「権力基盤を危うくする存在」(北朝鮮関係筋)に映っているという。

 そのため、ハンソル氏は動画を公開する一方で、北朝鮮の襲撃を極度に警戒して、遺体の引き取りなどに来られない模様だ。

 マレーシア警察のカリド長官は7日、「サンプルをもうすぐ入手できると確信している」と述べた。ただ、ハンソル氏を保護したとする団体については、シンガポールのテレビ局「チャンネル・ニュース・アジア」の8日の取材に「そのような団体のことを聞いたことはない」としつつ、「警察は正男氏の家族に接触する方法がある」と話した。(クアラルンプール=平賀拓哉、ソウル=牧野愛博)

2017年3月8日22時49分    朝日新聞デジタル