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核融合研、7日から新実験 根強い反対、15年以上遅れ

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重水素実験を行う大型ヘリカル装置(核融合科学研究所提供)

 大きなエネルギーを生み出す核融合を利用した発電を目指し、岐阜県土岐市核融合科学研究所が、7日から新たな実験を始める。基礎研究段階だが、安全への懸念から住民の反対運動が起こり、実験開始は予定よりも15年以上遅れていた。投資に見合った成果が得られるのかが課題となる。

 燃料は海水からも採れて、二酸化炭素も発生しない。核融合発電は、実現すれば大規模発電ができる未来のエネルギーとして期待されている。太陽の中心部で起きている反応を人工的に地球上で作り出し、そこで生まれるエネルギーを使って発電する仕組みだ。

 課題は、超高温の状態を維持すること。核融合研は、原子核と電子がバラバラに高速で飛び交うプラズマを作り、これまでに9400万度まで温度を上げることに成功した。7日から始まる重水素を使った実験では、核融合発電に最低限必要な温度とされる1億2千万度のプラズマを目指す。国内の重水素実験は、茨城県那珂市の装置に次いで2カ所目。

 ただ、中性子放射線)と、放射性物質である三重水素がわずかに発生する。温度を上げるために使用する重水素の一部が核融合を起こすためだ。

 核融合研は、実験棟のコンクリート壁と天井の厚さを、それぞれ2メートルと1・3メートルにして中性子が外部に漏れるのを防ぐという。三重水素は使用した重水素や水素と一緒に酸化させて水の状態にし、除去装置で95%以上を回収する。排水は日本アイソトープ協会に引き渡すなどの対策を取る。

 竹入康彦所長は「将来の発電に向けた大きなステップ」と期待する。安全面については、「敷地境界に365日居続けても、中性子は自然界から受ける放射線の1千分の1以下。三重水素も、もともと人間が体内に持っている量の15分の1以下」と説明する。

2017年3月7日07時06分    朝日新聞デジタル