読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

今日のニュース

気になったニュース

圏央道、6本の高速道つなぐ…茨城県区間が開通

f:id:obaco:20170226195757j:image

首都圏中央連絡自動車道の開通区間のつくば中央IC付近を走る車両(奥は埼玉方面)(26日午後、茨城県つくば市で、読売ヘリから)=永井哲朗撮影

 圏央道は26日、茨城県区間が全線開通し、東京から放射状に伸びる6本の主要高速道路がつながった。

 開通したのは境古河インターチェンジ(IC)―つくば中央IC間(28・5キロ)。これで圏央道全体の約9割が完成し、沿線の企業立地の加速や、成田空港からの所要時間短縮による観光客の増加などが期待される。

 国土交通省関東地方整備局によると、圏央道沿線には多くの大型物流施設があり、工場立地数が3年連続全国1位の茨城県ではIC周辺で工業団地の整備などが進んでいる。

 成田空港から関越道・花園IC(埼玉県)までの所要時間は都心経由より20分ほど短縮され、約115分に。名勝・長瀞(同)をPRしようと、4か国語でパンフレットや看板を作った長瀞町観光協会事務局長の田島茂行さん(43)は「都心のような渋滞の心配は少ない。外国人観光客だけでなく、茨城や千葉方面からの誘客にも取り組みたい」と意気込む。

2017年02月26日 19時30分    Copyright © The Yomiuri Shimbun

 

圏央道、きょう9割開通 6つの高速道つながる

f:id:obaco:20170226093740j:image

圏央道は6つの主要高速道路と接続する(埼玉県内の鶴ケ島JCT)

 首都圏1都4県を環状に結ぶ首都圏中央連絡自動車道圏央道)がほぼ完成する。26日の茨城県区間開通で全体の9割が通行可能になり、東名や関越、常磐など日本の大動脈である6つの高速道路がつながる。圏央道周辺への企業進出も増える見通し。東京都心を避けてモノやヒトを効率的に運べるため、物流や観光のルートも大きく変わりそうだ。
 26日に開通するのは茨城県内の境古河インターチェンジ(IC)―つくば中央IC間の28.5キロメートル。開通区間は1都4県(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城)の約270キロメートルに広がる。

 首都圏から全国へ広がる東名、中央、関越、東北、常磐、東関東の6つの主要高速道路が圏央道経由で結ばれ、日本中の地方が混雑の激しい都心を中抜きしてつながる。東名の神奈川県海老名と東北の久喜白岡の間は首都高速道路を使えば130分かかるが、圏央道なら67分に短縮できる。

 不動産サービス大手のCBRE(東京・千代田)によると、17年に首都圏で完成する大型物流施設の総延べ床面積は約80万平方メートルで、このうち約半分が圏央道沿いだ。物流施設は従来、東京湾岸や東京外かく環状道路(外環道)周辺が多かったが、近年は用地を確保しやすい圏央道沿道へのシフトが目立つ。

f:id:obaco:20170226093848j:image
 日本経済新聞社が1都4県に圏央道沿道への企業進出状況を聞き取り調査したところ、11~15年度の5年間で食品や自動車関連のメーカー、物流会社を中心に工場や物流施設などの立地は計523件に上った。16~20年度の今後5年間も計520件を見込む。

 1都4県のうち過去5年で最多だったのは埼玉県の194件。家具チェーンのニトリホールディングス(HD)は同県幸手市に同社最大級の物流施設を建て、18年にも稼働させる。インテリア用品や家庭雑貨を各店舗に迅速に供給。ネット通販の需要増にも対応する。

 食品スーパーのヤオコーは14年に同県東松山市の総菜工場を稼働した。「生産から供給の時間が短縮し広域に出店しやすくなった」といい、現在の152店から22年をメドに250店に増やす。

 物流業界も圏央道効果に期待を寄せる。ヤマト運輸は「渋滞時に迂回の選択肢が広がる」と指摘。佐川急便を傘下に持つSGHDは「荷物が増えて人手不足が続く中、渋滞が緩和されれば負担を軽減できる」とみる。

 相模原市ではシンガポール系の物流施設大手、グローバル・ロジスティック・プロパティーズ(GLP)が日本最大の物流施設を22年から順次開設する。ネット通販の配送拠点として通販会社に貸し出す予定で、即日配送地域が広がりそうだ。

 日野自動車も本社工場(東京都日野市)から古河工場(茨城県古河市)に生産を移管。新田工場(群馬県太田市)には大型エンジンの製造を移した。両工場を生かした生産を強化する方針で「圏央道が全線開通すれば両工場のアクセスがさらに改善する」と期待する。

 効果は観光にも及ぶ。旅行大手のクラブツーリズム圏央道を使う日帰りツアーを投入する。茨城県内発着で埼玉県川越市の町並み散策や買い物を楽しむツアーは、渋滞しやすい都心部を避けられるようになる。以前の川越ツアーに比べて所要時間は半分の1時間半程度に抑えられ、川越の滞在時間は2倍の2時間確保できる。

 千葉交通(千葉県成田市)は4月下旬にも、成田空港と北関東各地を結ぶ高速バス路線を圏央道経由に変える。首都高を使うルートより交通渋滞による遅延リスクを軽減できるためだ。

 日本総合研究所の試算による26日の開通後の圏央道の経済効果は、多様な業界で渋滞緩和による販売機会が増えるなど年間2000億円弱に上る。

2017/2/26 1:00    日本経済新聞 電子版