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安倍晴明の子孫の墓ピンチ 京都、連絡取れず寺が供養

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ひびも入り、傷みが激しくなっている土御門家の墓石について話す太田俊明副住職(京都市下京区・梅林寺の)

 平安時代陰陽師(おんみょうじ)安倍晴明の直系子孫である土御門家の菩提(ぼだい)寺・梅林寺(京都市下京区)で、一族の墓が長年の劣化で崩壊しそうな状態になっている。半世紀近く子孫の消息が不明になっているためで、寺側は対応に苦慮しつつも、千年以上にわたって天文や暦法をつかさどった一族の供養を続けている。
 土御門家は江戸時代、京都の梅小路周辺に邸宅や私塾を構え、暦の作成や陰陽師の統括、天皇や公家の祭祀(し)や占いを行った。太陰太陽暦から太陽暦に変更された明治期以降は東京に移ったが、梅林寺の墓所には18世紀から大正期に建てられた一族の墓20基が残る。宝暦暦を作った土御門(安倍)泰邦や、天保暦の施行に関わった晴雄(はれたけ)ら歴代の当主や家族が眠っている。

 しかし現在は、長年の風雨にさらされて墓石にひびが入り、碑銘も剥がれ落ちるなど傷みが激しい墓もある。同寺によると、土御門家の関係者との連絡が途絶えており、毎年盆などには読経や供え物をささげているが、一族と協議ができないままでは補修することも難しいという。数年前、土御門家に仕えていた先祖を持つ人が墓参に来たが、子孫の消息は分からなかった。

 江戸幕府の天文方として活躍した渋川春海の出身地でもある京都は日本天文学の先進地。土御門家は、天文観測に基づき占星術を扱う天文博士陰陽師を養成する陰陽博士を担った。梅林寺は一般に公開していないが、泰邦が作ったとされる日時計のような観測装置「大表」の土台も残り、天文学陰陽道の研究者らが墓参に訪れている。
 日本の暦や易学の歴史に詳しい大阪府立大客員研究員の水野杏紀さんは「土御門家は中国の天文・暦法や陰陽思想を一般庶民に広めた。その功績を伝えるお墓は史料的にも貴重」と語る。同寺の太田俊明副住職は「宗教と人文社会科学、自然科学を融合させ、重要な役割を担った土御門家のことを考えると、今のままでは心苦しい。子孫がどこかにおられる可能性もある。お墓の現状を知ってもらえれば」と話している。

京都新聞    2/11(土) 21:30