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ライチョウ、博物館から逃げ1か月…捜索続く

自然・環境 動物

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行方不明になっているライチョウ(12月8日撮影、大町山岳博物館提供)

 国の特別天然記念物ニホンライチョウが長野県大町市大町山岳博物館から逃げ出し、そのうち雌1羽の行方が分からなくなってから、10日で1か月となる。

 実物大の写真を載せたチラシを作るなどして捜索は続けられたが、有力な手がかりはない。同館では生存を信じ、情報提供を呼びかけている。

 同館は国からライチョウの人工繁殖事業を委託され、卵から孵化ふかした4羽を育てていた。昨年12月10日、飼育員が掃除のため飼育舎内に入ったところ、1羽が排煙用の窓を開閉するひもに接触。はずみで開いた窓から、雄と雌の計2羽が逃げ出した。雄は約5時間後に捕獲されたが、雌は見つかっていない。

 同10、11日は市職員とボランティア延べ約250人が「人海戦術」で同館周辺を捜索、その後は車両を使って目視による捜索が23日まで行われた。目撃情報は数十件あったが、白い置物だったり、サギだったりと空振りが続いた。現在は情報が寄せられれば、同館の職員が駆け付けるという形に態勢を縮小。ライチョウの飼育を担当する宮野典夫指導員は「どんな情報でもいい。白い鳥がいたら連絡してほしい」と訴える。

 逃げているのは生後半年ほどの雌。イタチやキツネといった天敵に捕まる危険性がある上、人工飼育だったため餌を探す習慣もない。ただ、山中の草を食べている可能性もあるほか、「北アルプスまで飛んでいき、自然の群れに交じっていることもありうる」と、中村浩志・信州大名誉教授(鳥類生態学)は指摘する。

 一方、同館の今後のライチョウ飼育について、12月下旬に日本動物園水族館協会(東京)が同館を訪れ、逃げ出した窓を調べたほか、残る3羽のライチョウがけがをしないよう、飼育舎内の蛍光灯にカバーを付けるなどの安全対策を協議した。2月下旬に東京都内で開かれるライチョウ保護増殖検討会を経て、同館の対応策が決まる。

2017年01月10日 11時25分    Copyright © The Yomiuri Shimbun