読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

今日のニュース

気になったニュース

絶滅危機のチョウ、アリが減ったため 意外な関係を解明

科学 動物

f:id:obaco:20161221091420j:image

成虫のゴマシジミ=上田後藤一也2016年12月21日06時57分提供

 チョウの「ゴマシジミ」が日本で絶滅の危機にあるのは、このチョウの幼虫が寄生する特定の種のアリが、里山の衰退で減ったためだと、大阪府立大などのグループが解明した。アリの生息環境を整えることが、このチョウの保全につながる可能性があるという。

 ゴマシジミは国内では中部地方で特に数が少なく、環境省レッドリストで「ゴマシジミ本州中部亜種」は絶滅危惧IA類。幼虫はシワクシケアリの巣に侵入し、春先にアリの幼虫を食べて成長する。体から特定のアリと同じ臭いを出して「自分は味方だ」とだましていると考えられている。

 同大の上田昇平助教(進化生物学)らが、このチョウがどの遺伝子系統のシワクシケアリに寄生するか、北海道、東北、中部地方で99カ所のアリの巣を調べた。ゴマシジミは草原の土の中を好む系統のアリ、オオゴマシジミは朽ち木の中を好む系統のアリに寄生することがわかった。

 ログイン前の続きゴマシジミが減っている地域では、寄生するタイプのアリが激減していた。上田さんは「里山の衰退や水田の減少で乾燥を好むアリに置き換わったことが、ゴマシジミの減少につながっている」と分析している。

 イギリスではアリの保全によって、ゴマシジミ属のチョウを復活させた事例があるという。研究成果は英科学誌に掲載された。(後藤一也)

2016年12月21日06時57分    朝日新聞デジタル