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熊本城再建、支援の輪…全国から寄付13億円

社会 地震・津波・噴火

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熊本地震で被災した熊本城天守閣。屋根瓦が落ちた跡には雑草が生えていた

 熊本地震で甚大な被害を受けた熊本城(熊本市)の再建に、支援の輪が広がっている。

 城郭や文化財の修復技術を持つ自治体はノウハウを提供。全国から寄付が届き、中断していた1口1万円の「一口城主」も「復興城主」として再開する。熊本のシンボル復活に向けた動きが進んでいる。

 「城を抱える同じ自治体として、大変な思いはよく分かる」。東日本大震災で崩壊した国指定史跡「小峰城跡」の石垣の修復作業を続ける福島県白河市鈴木功文化財課長は力を込めた。

 小峰城跡の石垣は、震災で10か所約7000個の石が崩れた。同市は、城郭の研究者や技術者らでつくる専門委員会を設置。2011年12月から復旧工事を始め、18年度末の工事完了を目標としている。

 熊本地震後、同市は、専門委会議の討議資料や復旧のポイントなどをまとめた大量の書類を熊本市に届けた。鈴木課長は「役に立てることがあれば、最大限支援したい」と語り、職員の派遣も検討中だ。

 熊本市熊本城調査研究センターの担当者は「資料はかなり読み込んだ。直近の例で参考になった」と喜んでいた。

 また名古屋市は、文化財の再生事業に携わる技師を派遣。今月1日から来年3月までの任期で、城内各施設の点検や補修、被害状況の調査などを担当している。

 支援は行政だけにとどまらない。熊本市が4月の地震後に設けた「熊本城災害復旧支援金」には、全国の個人や企業などから、11日現在で約12億9500万円が振り込まれた。

 福島県郡山市の建設会社社長(40)は本震から約1週間後、熊本市熊本城総合事務所に直接、100万円を届けた。「東日本大震災では、熊本から多くの職人が駆けつけてくれた。恩返ししなければ」と振り返った。

 1万円以上寄付すると、「城主証」が交付される「一口城主」制度は、地震後に中断していたが、全国から「再開してほしい」との要望を受け、熊本市は11月1日から「復興城主」に刷新して再開することを決めた。

 城主証の交付はこれまでと同様だが、立ち入り禁止となった天守閣に掲げていた氏名入り芳名板の代わりに、氏名や城主番号を入力すると専用のスクリーンに氏名が映る「デジタル芳名板」を近くの観光交流施設に設置する予定だ。

 熊本城総合事務所の河田日出男所長(58)は「熊本城は、これまでも多くの人が支えてくれた。今回の被災も、大勢の力で復旧を成し遂げ、乗り越えていきたい」と話している。(後藤敬人、那須大暉)

◆熊本城=加藤清正が1607年に完成させた。1955年、石垣などを含む旧城域約51ヘクタールが国の特別史跡に指定され、焼失していた天守閣は60年に再建された。熊本地震では、宇土櫓(やぐら)など国指定重要文化財13棟が損傷し、総表面積約7万9000平方メートルの石垣のうち約1割が崩落した。熊本市は復旧費を634億円と試算。天守閣を3年で、全体を20年かけて復旧するとしている。

2016年10月21日 15時48分    Copyright © The Yomiuri Shimbun