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5球団が競合、田中はタカ プロ野球ドラフト会議

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ソフトバンクが交渉権を獲得し、野球部の仲間から胴上げされる創価大・田中

 プロ野球の新人選手選択(ドラフト)会議が20日、東京都内のホテルであり、注目された最速156キロ右腕の田中正義(せいぎ)投手(創価大)は5球団が競合し、抽選の末にソフトバンクが交渉権を得た。

 大学日本代表で主将を務めた柳裕也投手(明大)は2球団が重複し、中日が交渉権を引き当てた。

 今夏の甲子園ログイン前の続きで優勝した栃木・作新学院高の右腕・今井達也投手は西武が単独指名。寺島成輝投手(大阪・履正社高)はヤクルト、藤平尚真投手(横浜高)は楽天がそれぞれ単独指名した。

 首都大学リーグで53イニング連続無失点のリーグタイ記録を樹立した佐々木千隼(ちはや)投手(桜美林大)は、外れ1位では異例の5球団が重複し、ロッテが交渉権を獲得した。

 指名選手は昨年より1人少ない87人で、上位は全体的に投手指名が多い傾向にあった。

 ■大谷世代「対決できるところまで成長したい」

 創価大の田中は東京・八王子市の創価大内で約1300人の学生らとともにドラフトの中継を見守っていた。5球団から1位指名を受け、交渉権がソフトバンクに決まった瞬間は大きな拍手がわいた。抽選の間は表情を崩さなかった田中は、「思ったより緊張していた。決まってよかった」と安心した様子で話した。

 ソフトバンクについては、「投打ともに隙が無い」。工藤監督が「開幕投手」などと期待を口にしたことについては、「少しハードルが高いと思うが、1年目から1軍にいて、チームの勝利に貢献したい。(将来は)エースを目指したい」と語った。

 田中は創価高時代は1年夏で背番号「1」をつけていたが、肩を痛めた。3年夏は「8」で4番中堅手で、西東京大会準決勝で敗れた。創価大で再び、投手を始め、3年春からリーグ戦で56イニング無失点を記録。プロ野球の若手との試合でも快投して見せた。「高校で投手の実績がないのに起用してくれた監督に感謝です」と振り返る。

 日本ハムの大谷とは同い年。「比較される選手ではない。対決できるところまで成長したい」と引き締まった表情で語った。(坂名信行)

 ■1位外した全球団が殺到 ロッテ1位・佐々木

 桜美林大の佐々木の表情はこわばりっぱなしだった。ロッテに交渉権が決まっても緩まない。「すごく不安だった。いつ指名していただけるんだろうという気持ちだった」。同大から初となる1位指名に加え、異例の展開がそうさせた。

 1巡目では指名がなく、その後、1巡目の抽選を外した全5球団から指名を受けた。仲間から歓声があがったが、笑顔にはなれなかった。「外れ1位。うれしかったんですけど、無表情でしたね」と苦笑いした。

 東京・日野高から桜美林大に進学後、150キロを超える直球を手に入れた。「都立高校出身でもプロになれることを証明できた」と胸を張る。その一方で、同学年の日本ハム・大谷を「雲の上の存在」という。「早くそういうレベルで勝負できるようになりたい。新人王をとりたい」。記者会見も終わりに近づくにつれ、笑顔が戻ってきた。

 ■「真っすぐ磨きかける」 オリックス1位・山岡

 オリックスから単独1位指名を受けた東京ガスの山岡は172センチと小柄だが、「小さな体をダイナミックに使って、攻め込んでいきたい」と意気込んだ。

 プロで投げ合いたい相手として、高校日本代表でチームメートだった松井裕(楽天)、高校時代に夏の広島大会決勝で延長、引き分け再試合を戦った田口(巨人)の名前を挙げた。「得意のスライダーに加え、真っすぐにも磨きをかける」。あいさつに訪れた福良監督は「僕の中では早くから(山岡に)決めていた。来季の開幕投手を狙ってほしい」と期待を込めた。

 ■「即戦力として応えないと」 中日1位・柳

 中日から1位指名を受けた明大の柳は「即戦力として評価された部分があると思う。それに応えないといけない」と表情を引き締めた。

 140キロ台中盤の直球とカーブの緩急で、東京六大学で通算326奪三振。大学の先輩で中日のエースだった川上憲伸らを抜き、リーグ史上10位だ。「奪三振は自分の持ち味の一つ。プロは厳しい世界だと思うが、偉大な先輩に続けるようにがんばる」と話した。

 ■東京六大学24勝 広島1位・加藤

 広島から1位指名を受けた慶大の加藤は「ここ(1位)で指名されるとは思っていなかったのでうれしい」と笑顔を見せた。慶応高出身。甲子園の経験はないが、150キロを超える速球を武器に、東京六大学で現役最多の24勝を挙げている。自身のセールスポイントを「真っすぐで押したり、気迫を出したりする投球」と語り、「自分を見に来てくれるファンが多くできるような選手になりたい」と話した。

 ■俊足巧打の野手 巨人1位・吉川

 巨人から1位指名を受けた中京学院大の吉川は、「まさか1位とは思っていなかったのでびっくりした」。50メートル5秒7。俊足巧打の遊撃手として、今春はチームの全日本大学選手権初出場、初優勝の原動力になった。大学日本代表にも選ばれ、二塁手として出場した。「大きな経験をさせてもらった」と話す。岐阜・中京高出身。自身と両親は巨人ファンだ。「伝統のある強いチーム。1日でも早く試合に出られるようにしたい」と宣言した。

 ■自信の最速151キロ DeNA1位・浜口

 DeNAから1位指名を受けた神奈川大の浜口は、野球部の仲間が見守った記者会見で涙をこらえられなかった。「指名をもらえるか不安が大きかった。まさか、自分がプロ野球選手になれるとは思っていなくて」。身長173センチと大きくはないが、最速151キロの直球に自信を持つ。佐賀・三養基(みやき)高の出身。「三浦大輔さんのように、長く活躍できる選手になりたい。お世話になった横浜に恩返しします」と誓った。

 ■大学代表の4番 阪神1位・大山

 阪神に単独1位指名された白鴎大の大山は「指名してもらうだけでもと思っていたので、ほっとしたというよりびっくりしたのが本音」と語った。茨城・つくば秀英高出身。甲子園に縁がなかったが、大学で大きく飛躍。今春の関甲新リーグで8本塁打、20打点を記録し、大学日本代表の4番も務めた。ソフトバンク・松田を目標としてきたが、「金本監督のように強い体を身につけ、熱いファンの期待に応えられる選手になりたい」。

 ■台湾の右腕投手、巨人が7位指名

 巨人が7位指名した廖任磊(リャオレンレイ)は、今年6月に台湾の開南大を卒業した右腕投手。身長201センチ、体重125キロの巨漢だ。台湾生まれだが、日本の岡山共生高に3年間在籍したため、野球協約の規定によりドラフト対象となった。同投手は2014~15年に大学を休学し、大リーグのパイレーツとマイナー契約し、ルーキーリーグでプレーした経歴を持つ。

 ■タカ・トラ将来性、G即戦力

 ソフトバンクは今年も長期的な視野に立った指名をした。1位で5球団競合の田中を射止めたのは大きいが、2位以下は高校生が占めた。投手陣の層が厚く、今春に右肩を痛めた田中を焦らせることもない。常に優勝争いに絡める戦力が維持できそうだ。

 対照的なドラフト戦略を見せたのが巨人だった。1位で田中と佐々木を続けて外し、内野手の吉川に切り替えた。坂本以外の主力野手が高齢化している現状を反映している。伝統的に高校生を上位指名して育ててきたが、2~4位も大学・社会人の投手だった。

 投手の豊作年といわれ、2位までの24人中20人が投手。その中で、独自色が濃かったのが阪神だ。

 最初の入札で唯一の野手となる大山を一本釣り。2位の小野も大学生投手だが、伸びしろに期待しての指名だ。3、4位は高校生投手。就任1年目の今季、リーグ4位に終わった金本監督が、即戦力より将来性を重視したのは大胆だ。

 意外だったのは最初の1位指名で佐々木の名前が挙がらず、外れ1位に回ったこと。2度目の入札では5球団が競合した。引き当てたロッテにとっても「まさか」。田中や佐々木は重複指名になると読み、戦術的に単独指名できそうな選手を選ぶ球団が多かった。(伊藤雅哉)

 ■1位指名の流れ

 オ 山岡☆

 中 柳○

 楽 藤平☆

 ヤ 寺島☆

 西 今井☆

 神 大山☆

 ロ 田中× → 佐々木○

 D 柳× → 佐々木× → 浜口☆

 ソ 田中○

 巨 田中× → 佐々木× → 吉川☆

 日 田中× → 佐々木× → 堀☆

 広 田中× → 佐々木× → 加藤☆

 (☆は単独指名、○は抽選で確定、×は外れ)

 ■ドラフト指名選手の内訳

     投手 捕手 内野手 外野手  計

 高校生 22  5   5   3 35

 大学生 23  2   6   2 33

 社会人 16  1   2   0 19

 計   61  8  13   5 87

 (独立リーグ、専門学校は社会人に含む)

2016年10月21日05時00分    朝日新聞デジタル

 

 

www.nikkei.com

2016/10/20 17:45    日経新聞