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したたかなバッハ会長 野球・ソフトの復興五輪戦略

 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は、したたかだ。

 IOCは警備や選手の移動の負担から、被災地での競技開催に消極的だった。

 しかし、日本側の希望を受け入れ、野球とソフトボールは福島県での開催に向けた検討を進めている。12月のIOC理事会で会場が決まる可能性が高い。

 そんななか、注目を浴びる安倍晋三首相との会談で、わざわざIOCの腹案として、被災地開催をぶち上げた。日本の野球人気が高いことを重々承知で、「日本が参加する野球の初戦をやれば力強いメッセージになる」と踏み込んだ。

 しかも、このタイミングでの発表は意味深だ。小池百合子都知事は前日、会長との会談で、ボート・カヌー会場の宮城への変更を念頭に「復興五輪に資するかがポイント」と強調した。会長は好意的な反応を見せなかった。

 IOCはリオデジャネイロ五輪で史上初めて「難民選手団」を結成した。被災地での開催案自体は、社会的な問題に積極的にかかわることが大好きな会長の哲学と重なり合う。

 その点、8月に追加競技になったばかりで、会場が決まっていない野球やソフトボールならIOCも受け入れやすい。ボート・カヌーに固執しなくても、小池知事が重視する「復興五輪」は実現できますよ、というメッセージにも受け取れる。(編集委員・稲垣康介)

2016年10月20日05時41分    朝日新聞デジタル