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大麻栽培で町おこし かつては首相夫人も視察に

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安倍首相の妻昭恵さん(右)を、大麻草を栽培する畑に案内する上野俊彦容疑者(左)=昨年7月、鳥取県智頭町八河谷(中央の人物の顔にモザイクをかけています)

 鳥取県智頭(ちづ)町で町おこしのために大麻の栽培許可を得ている会社「八十八(はちじゅうはち)や」の代表、上野俊彦容疑者(37)=同町=が、自宅に乾燥大麻88グラムを隠し持っていたとして中国四国厚生局麻薬取締部大麻取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕されたことが17日、明らかとなった。寺谷誠一郎町長は「責任を痛感している。二度と栽培許可の後押しはしない」と陳謝した。
 また、同社の従業員の男2人も同法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕され、「自分で吸うために譲ってもらった」と、共に容疑を認めていることが厚生労働省への取材でわかった。

 町によると、上野容疑者は2012年に群馬県から智頭町に移住。群馬でも関わったとして、栽培した大麻草の種や茎から食品や衣類を作ることによる「町おこし」を提案した。鳥取県は13年4月に個人の栽培者免許を認め、昨年4月には「八十八や」の法人免許に切り替えていた。

 約1・3ヘクタールの上野容疑者の畑を視察に訪れる人は多かった。昨年7月には安倍晋三首相の妻昭恵さんが、同容疑者から話を聞いた。昭恵さんは当時、報道陣の取材に「日本で盛んに行われて、廃れてしまっている伝統産業の麻(大麻草)に関心を持った」と話した。

 近畿厚生局麻薬取締部は今月4日、岡山県真庭市の非常勤職員(34)を大麻取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕。真庭市によると、職員は大麻草による町おこしを計画し、月1回ほど上野容疑者の元を訪れて栽培方法を学んでいた。

 上野容疑者が智頭町で栽培していたのは、幻覚作用のある麻薬成分「THC」が少ない品種。所持が逮捕容疑となった乾燥大麻は、これとは別種とみられる。

 大麻草栽培は町ぐるみで進められた。寺谷町長は上野容疑者の免許取得前、平井伸治知事に許可を働きかけた。かつてのように大麻草を栽培すれば町が活性化すると考え、後押しした。

 免許の取得や1年ごとの更新のハードルは高い。複数の自治体によると、栽培目的は「伝統文化の継承」などに限定。栃木県の担当者は「代々、生業にしてきた農家にしか認めていない」、福島県の担当者は「乱用の恐れがある薬物になり得るので慎重になる」と話す。ただ、首長らの推薦状がある場合、認められやすくなるという。

 厚労省によると、栽培者用免許をもつ個人・法人は1954年の3万7313をピークに減り続け、2014年末では33になった。

2016年10月18日05時44分    朝日新聞デジタル